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生物防除で書籍を発刊　環境などに幅広く対応
―クミアイ化学―

記者会見の様子

　クミアイ化学工業（株）（望月信彦社長、本社：東京都台東区）は10月16日、都内のホテルで記者会見を行い、『拮抗微生物による作物病害の生物防除－我が国における研究事例・実用化事例－』を発刊したことを明らかにした。記念シンポジウムも行われている。
　記者会見席上、望月社長は「21世紀は食糧と環境の世紀とも言われている。増加する人口と食料供給と地球環境保護、これをいかに両立させていくかが今世紀の最大のテーマ」と語り、「当社は新農薬の開発に継続、努力しているが、環境に対する負荷の軽減と安全性の確保は常に重要なテーマ」と、同社の企業理念を強調した。

　『拮抗微生物による作物病害の生物防除』　表紙

　これを実践したのが、同社にとって初の試みとなった微生物防除剤「エコホープ」の開発。生物農薬の持つ性能を発揮させるためには、よりキメ細かな使用条件の設定が必要となるが、同社では現場に近い営農指導員などと連携を深め、「市場投入した本年度において確かな手応えを得た」（石原英助専務）。
　『拮抗微生物による作物病害の生物防除』は、わが国で研究されている拮抗微生物を用いた作物病害の生物防除技術を網羅的に紹介することを目的に、第１線で活躍している研究者24名が生物防除の研究・実用化事例を執筆した。監修を百町満朗岐阜大学農学部教授が行っている。
　系統メーカーの雄として、業界をリードするクミアイ化学工業（株）。同社の企業理念には二宮尊徳の報徳の精神が脈々と生きている。「愛すれば　５つ教えて　３つ褒め　２つ叱って　良き人とせよ」。この精神が今回の発刊にも繋がり、生物防除の世界を一層広げることになる。

（２００３．１０．２１）