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スミフェートが「やっと走る」　三つどもえ、業界に波紋も走る 《住友化学》

住友化学は10月25日、９月20日付けでジェネリック（特許切れ）農薬である畑作園芸用殺虫剤『スミフェート粒剤・水溶剤（一般名：アセフェート粒剤・水溶剤）』の登録を取得し、粒剤は11月末、水溶剤は明年４月からの発売を明らかにした。業界に、波紋を呼ぶのは必至。 　『スミフェート粒剤・水溶剤』は、長年にわたり国内で販売され市場で高く評価されているアセフェートを有効成分とし、毅然とした姿勢を保つメジャーな殺虫剤製品に位置づけられ、農業分野に限定されることなく、家庭園芸分野でもその地位を不動のものとしている。80億円相当の市場性があるのではないかと、本紙では推量する。 　特長は、殺虫スペクトラムの広さからさまざまな害虫に有効、浸透移行性をもち即効性と持続性を併せもつ、18種類におよぶ幅広い作物に農薬登録を取得（10月25日現在）、ガゼット袋の採用で使いやすいなど、時代の最先端をいく特長・姿をみせる。 　住友化学は、「スミチオン」をはじめとする多くの畑作園芸用殺虫剤を手掛け、野菜や花き類の害虫防除に幅広く対応している。今回の「スミフェート」においても、「グループの総力を上げた販売に挑む」（マーケティング部）方針。５年後には、全アセフェート市場の20％（16億円相当）のシェア獲得を目指していく。 　さらに、同社では水稲、野菜、果樹、家庭園芸などで「長年にわたり培ってきた技術開発力、ノウハウを活かし、今後もさらなる製品ラインアップの充実をはかり、顧客ニーズに応えることで収益拡大に努める」（同）としている。 【解説】 　住友化学のスミフェート剤「登録取得」は、９月20日付けで丸紅アグロテックから販売権などを譲り受けたもの。業界では、「今春から販売に踏み切るのではないか」（業界通）と見ていたが、新しい生産ライン整備の関係からこのほどの市場投入に至った。「やっと走った」との印象だ。 　いっぽう、ジェネリック農薬に対して冷ややかに見ていた同社だけに、今回の取組みに業界は戸惑いを見せており、波紋を呼ぶのは必至。農業用途は住友化学から農薬卸、家庭園芸用途は傘下にあるレインボー薬品経由でホームセンターへの流通となる。 　現在、アセフェートの流通は、「オルトラン」においてアリスタライフサイエンスによる商系直販、北興化学工業による系統、全農による「ジェイエース」の普及が行われている。今回の「スミフェート」の進出により、流通チャネルは三つどもえとなり、この意味からも波紋を呼ぶのは必至。 　なお、原体製造を興農（台湾）が行い、製剤化は住化アグロ製造（山口県下松市）が行う。

（２００７.１０.２６）

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