農業協同組合新聞 JACOM
   

コラム
反射鏡

第23回JA全国大会で感じたことの一端
−はたして改革は実現するのか

 最大の政治イベントである総選挙が明日に迫っている。民意の帰趨と国の将来を左右する今後の政治の動向を考えつつ、1月前の農協界最大イベントたる第23回JA全国大会を回想することとする。
 緊急の課題の山積するなかで、開催される3年来の農協系統組織の活動方向を定める大会である。小生、今次は農業・農協の存立そのものにかかる特別の大会であるとの認識である。難題解決に対する意志の結集と意欲の高まりを、身近に確かめんものと十数年ぶりに会場に出向いた。正直に言って失望・落胆の大会であった。

◆淋しき来賓席

 極上の来賓席の空席が目立った。ほぼ30席程度が用意されていたと思う。うち、満たされた席は最大時で12程度ではなかったろうか、最小時はほんの数席であったと思う。人の出入りはほとんどなかったようなので、10+がマキシマムの出席者となるわけで、淋しい限りである。国会議員の出席は0であったと記憶する。時あたかも衆議院解散の当日である。だからこそ来る、いやとてもそれどころではあるまいとの両論が成り立つ、衆院の議事運営の関係もあろう。ならば参議院議員はどうなんであろう、秘書等の代理出席だってあるはずである。これほどまでに農協組織が軽く見られるにいたったのであろうか。
 政治関係は一切排除、出席お断りの大方針があったとも考えられる。それはあり得ないと思うが、仮にそうであるなら、おおいなる過ちである。政治へのアピールとその善用なくして、この最大難関と課題解決に対応できると考えていたら、風車に向かうドンキホーテそのものである。
 
◆批判すべき両大臣の対応

 プログラムに大書されていた小泉首相と亀井農水大臣の対応にも農協組織の落陽を感じさせるものであった。閉会間際にあらわれた農水大臣は、解散云々のみで遅れに対する詫びごともなく挨拶文を読み上げ、さっさと引き上げる始末。総理大臣にいたっては、記念イベントの終演時の午後5時半にあらわれるとの体たらくである。一曲歌い、特意のパフォーマンスを発揮したようであるが、そんなことで誤魔化される組織ではあるまいと確信している。行政・政治の責任のある者、大会等に出席する場合、決議文など当事者の声を聞くことを第一義とすべきである。パフォーマンスの場ではない。

◆形式的な議事運営

 肝心かなめの大会そのものであるが、まさに整然たる議事運営である。定められた手順をつつがなく、さながらベルトコンベアに乗って決意表明などの議案が処理されていくといった印象である。あまりにもスムーズで、フリーな意見開陳の場もなく、改革意欲も情熱も感じられぬ熱気に欠けた大会であったといえる。決意表明は参加者の意思統一であると同時に政治・行政の当事者と国民へのアピールでもある。まばらな来賓席を見つつ、決意表明のむなしさを一層強く感じたのは小生のみであろうか。
 メインの柱の1つが経済事業の改革である。特に全農の不祥事は、農協組織の対社会的信用を大きく喪失せしめたことは残念ながら事実である。何はともあれ全農会長が壇上に立ち、謝罪は一切いらない、断固改革にまい進する旨の決意を表明して欲しかった

 並び立てていくときりがない。来賓問題と議事運営のみで紙面が尽きてしまった。最後に大会の無気力な雰囲気の責任は全国の各農協にあると思う。全国中央会の姿勢・運営方法に問題ありとする人もいるが、小生はそうは考えない。各農協が改革の意欲に燃えておれば大会は盛り上がったに相違ない。全国中央会云々の低いレベルの問題ではあるまい。

(藤塚捨雄) (2003.11.20)

 

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