農業協同組合新聞 JACOM
   
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酪農技術・経営の実践を発表
−全農酪農経営体験発表会 (11/18)

挨拶する成清常務
挨拶する成清常務
 酪農の経営内容や経営技術などを広く紹介し、酪農経営の安定・発展に寄与することを目的に、第23回全農酪農経営体験発表会が11月18日、千代田区大手町のJAホールで開催された。
 全農成清一臣常務は、「全農は今、『生産者と消費者を結ぶ架け橋』をスローガンに事業を展開している。本発表会は、このスローガンを具体化するものではないかと思います。酪農経営や技術等で優秀な実践をしている方々から、経営の苦労や心がけていることなどを聞いて、大いに参考にして欲しい」と挨拶した。
 県連、JAから推薦のあった発表者は、▽京都府:谷学「楽しい農業『楽農』をめざして」、▽長野県:菊原正利「夫婦二人三脚で安定した酪農経営をめざして」、▽埼玉県:八木原毅「都市近郊における土地利用循環型農業をめざして」、▽宮崎県:田中博美「夢に向かって」、▽北海道:福島保「地域農業を見据えた酪農経営」の5名。発表者はそれぞれ写真・図表を使い、自らが行っている効率的な経営や最新の技術を、審査員始め聴衆にアピールするよう分かりやすく説明した。

■大規模経営に向けた実践を評価、最優秀賞受賞

 発表後、審査結果が発表され、最優秀賞には北海道の福島保さんが選ばれた。福島さんの経営は、▽酪農の将来を見据え、早くから大規模経営の必要性を感じ実践してきた、▽地域の特徴を生かし、不足飼料は購入飼料で補いながら規模を拡大してきた、▽コントラクターを導入しており、低コスト、高効率の飼料生産を行っている、などが評価された。
 しかし、頭数のわりには飼料作が不足している、所得率が低いなど、改善点も指摘された。
 また、都市近郊にもかかわらず、河川敷等を利用して30ヘクタール以上の自給飼料を生産し、人と牛にゆとりある経営を行っている、立地条件を生かし、ソフトクリームの製造・販売を行い、消費者に酪農の素晴らしさをアピールしていることなどの理由で、審査員特別賞に埼玉県の八木原さんが選ばれた。八木原さんを含めた4名が、優秀賞となった。なお、八木原さんは父親の敏夫さんが第3回大会で優秀賞を受賞しており、親子2代での受賞となった、
 審査委員長の堀尾房造福原学園常務理事は審査結果発表後の講評で、「今年の発表者は、規模が大きい、畜舎が近代的で作業効率が良い、ふん尿処理に配慮しているなどの評価できる特徴がある一方、経営の効率化の点で例年に比べ若干見劣りがする、頭数のわりには所得が少ないなどの問題点も見られる。経営の発展性は見込めるかなどの審査基準に照らし、最優秀賞他を選んだ。環境に配慮する経営が主流を占めるようになり、耕畜連携の取り組みが進むなど、酪農を取り巻く環境は変わってきた。今後も酪農経営の一層の効率化をめざし頑張って欲しい」と締めくくった。

最優秀賞の表彰を受ける福島さん
最優秀賞の表彰を受ける福島さん
(2005.11.25)

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