平成22年度の農薬出荷状況は一部価格値下げ品目もあり、水稲分野の殺虫剤・殺菌剤・除草剤で金額が増加したが、最終値は21農薬年度対比で金額98%、数量95%ほどの見込み。
全農薬の事業利益は減少したが、一般管理費などの経費減少で22年度当期純利益は若干の増益となった。
全農薬総会では今後、現政権下の農政による農業情勢、農薬業界の変化、また消費者の食の安全安心への関心の高まり、IPM(総合的病害虫・雑草管理)や環境に配慮した防除の必要性を考慮し、将来を見据えた事業展開をはかっていくことで合意した。
全農薬が平成19年秋にサービスを始めたインターネットWebを利用した「全農薬受発注システム」の利用者は、21農薬年度末比で3社増え、当初目標をはるかに超える55社になった(9月末)。利用メーカーも年内に9社となり次年度内には目標の10社に達する見込みだ。全農薬の松木理事長は「事業の合理化と効率化に貢献しており、システムの一層の充実を進めたい」と、展望を述べた。
安全協は、昨年に引き続き農薬の安全性や適正使用と販売の啓発活動に取り組む方針だ。
【新役員体制】(敬称略)
▽理事長 青木邦夫(東海物産会長)
▽副理事長 宇野彰一(高岡屋社長)
▽専務理事 堀江康雄(全農薬事務局)
▽常務理事 鈴木郁夫(小泉商事社長)
▽同 金子昌弘(カネコ種苗専務)
▽理事相談役 松木三男(グリーンテック会長)
(写真)
上:組合の事業概況を報告する松木三男理事長
下:新理事長に選出された青木邦夫・東海物産会長(左から2人目)