SBS米 農水省調査は信憑性欠く-民進党 再調査要求2016年10月24日
10月24日付け「日本農業新聞」が商社への聞き取り調査の結果、回答した11商社すべてが輸入米を扱う理由として「国産米より安いから」と答えるとともに、相場は国産の2割安と回答するなど、国内米価格に影響しないとした「国の見解と食い違い」などと報じたことを受け、民進党は同日午後、国会内で農水省の担当者からヒアリングを行い、報道内容について、省として確認して国の見解と食い違いを正すよう求めた。
また、先の調査結果について山本農相の決裁を経たものかどうかも確認し、25日も開くヒアリングの場で回答するよう求めた。
福島伸享議員は「同じ商社にヒアリングしているのだから農水省調査には極めて信憑性に疑いがある。輸入米価格偽装問題から輸入米価格調査への偽装問題へと発展したといわざるを得ない。
日本農業新聞の報道では商社は輸入米は国産米より2割から4割安いと具体的に回答し、「公表価格で買う実需者はいない」、「売渡価格の最低ラインをクリアするために調整金を上乗せせざるを得なかった」などの声を掲載した。
国産米価格への影響は確認できなかったと結論づけた農水省調査と食い違う結果となった。
ヒアリングの席では民進党議員から「SBS米のいんちきが米価全体を押し下げていないなどと絶対に言えないのに、まったく影響がないという。回答を求める」、「農水省はいくらで取引したかは商取引に関わるので聞けないと言っていた。しかし、実際、質問をすると回答を得られている」、「あの調査報告は中身がない。白紙からやり直してほしい」、「国会運営のために影響がないという調査をしたと疑われてもしかたがない」など厳しい指摘が相次いだ。
農水省は「報道に対してコメントする立場ではない」と答え、先の調査結果で「価格には言及してもらえなかった」がSBS入札と国産米価格に影響が見られないなどの分析結果から「影響が確認できなかった」とする報告内容の説明に終始した。
山井国対委員長は「政府・与党からは早ければ今週金曜日にも強行採決するという話も聞こえてくるが、とんでもない。
国会や国民に国産米相場への影響がないという事実と違う報告を出しておいて、実際、やはり輸入米のほうが安い。実態と違う調査報告書を出して、そのうえに審議を早く打ち切り強行採決をするなどは国民を欺くとんでもない行為だ。調査をし直して丁寧な審議をしていただきたい」と強く求めた。
これまでに審議が事実に基づかない審議だったとして「審議時間ゼロからやり直すべきだ」との指摘もあった。25日もヒアリングを開くとともにTPP特別委員会の理事会でも議論される。審議に大きく影響を与えそうで農水省の対応が問われる。
(写真)農水省からヒアリングする民進党衆議院議員
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