【衆議院総選挙2017】成長産業化を問う主張も-農政公約2017年10月10日
10月10日に公示された衆議院議員総選挙に向けた与野党の農業関連政策の公約を整理した。与党と一部野党はさらなる規制改革と農業の成長産業化をめざす。これに対し米の需給調整などに国の関与や所得補償政策の制度化を求める主張が野党から示されている。これを農村部がどう判断するのか、注目される。
自民・公明の与党は農政新時代、農業の成長産業化のさらなる促進、TPP関連対策の見直しと実行など、これまでの農政の推進を主張する。自民党の公約には国民の求める農産物を生産することで自給率の向上を図るとするが、数値は示していない。
米の需給調整については自民・公明ともに全国的な調整を担う組織設立を支援するとした。
結党後、初の公約となる希望の党の農業政策は食料自給率50%をめざすとするが、補助金を大胆に廃止して「農家への直接支払いに一本化する」とした。
日本維新の会は規制緩和を主張し、株式会社の農地所有の解禁を訴える。
一方、第3極のひとつ、立党したばかりの立憲民主党は地域の基幹産業である農林漁業を守り、多様な暮らしを支えるとして具体策では農業者戸別所得補償制度の法制化、恒久化を明記した。
日本共産党は米の直接支払い制度の維持など「市場まかせではなく」国の責任で農業、農村を再生することなどを基本に品目別など政策を明記した。社会民主党は農業者戸別所得補償制度の確立と、農協改革では全農の株式会社化と准組合員の利用規制を認めないことなども明記した。
今回の総選挙では30年産からの米政策やTPP等貿易交渉問題など課題は山積するが、具体的な政策はもちろん安倍政権の国会運営、規制改革推進会議など拠点にした官邸主導の農政など、その手法も問われる。
(※太字の各政党名をクリックすると政党毎の農政公約記事へリンクします。)
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