葉いもちから稲いもちへの移行に注意 病害虫発生予報第7号2015年9月24日
農林水産省は9月18日、「病害虫発生予報第7号」を発表した。葉いもちが多発している地域では稲いもちに移行しないよう、またトビイロウンカによる坪枯れ等の被害に関しては収穫まで適切な防除を行うよう、注意を促している。
秋雨前線の影響で、北・東・西日本で平年より多雨、日照不足、低温が続き、稲いもち等の被害拡大が危ぶまれている。
気象庁はむこう一か月を、北日本と東日本で平年より降水量が多く、日照時間が少ない状態と予想している。またエルニーニョ現象が続いており、9月以降も全国的に平年より気温が低く推移すると予測され、病害の発生拡大に注意を促している。
農水省では、台風18号により冠水被害があった地域に関して、農作物への防除実施も困難となっている現状もあり、天候の回復を待って防除実施を行うよう呼びかけている。
【水稲】
稲いもちに関しては、全国的に発生が多いと予測されており、9月17日時点で11県が注意報を発表している。稲が濡れた状態が長時間続くと発生が助長されため、注意が必要。
斑点米カメムシに関しては9月17日時点で15道府県が注意報を発表しており、今後も注意と適切な防除実施が必要。虫の生息地となる休耕田や畦道など水田周辺の雑草管理が大切。
トビイロウンカについては第3世代が発生する時期なので、収穫まで観察を行い、早期発見ができるよう注意を促している。
水稲で発生が予想される病害虫とその地域に関しては以下の通り。
【豆類】
大豆に関しては、吸実性カメムシ類、アブラムシ類とハスモンヨトウの発生が一部地域でやや多いと予想されている。ハスモンヨトウは白変葉を手掛かりに見回りを行うよう注意を促している。
主な発生予測地域に関しては以下の通り。
【野菜・花き】
タバコガ類はトマト、ナス、ピーマン等で多いと予想されている。
ネギアザミウマは多くの地域で多いと予想される。虫の密生密度が高くなると防除が難しくなるため、発生初期の防除を行うよう注意を促している。
野菜・花きで予想される病害虫とその地域については以下の通り。
【果樹・茶】
果樹カメムシ類は7県で注意報が出ている。特に森林に近い園地や毎年発生のある園地では発生に関して注意が必要。
モモせん孔細菌病は翌年の発生を抑えるため、収穫後の薬剤散布が効果的。特に8月から秋雨前線による多雨により、樹体上に病原菌が拡散されていることが考えられる。
果樹・茶で予想される病害虫とその地域については以下の通り。
都道府県が発表している警報は、今のところない。
特殊報に関しては、下記の通り発表されている。
▽8月19日 北海道でばれいしょを対象にジャガイモシロシストセンチュウ
▽同21日 大分県できくを対象にキク茎えそ病(CSNV)、トマトに対してトマト茎えそ病(仮称)(CSNV)
▽同24日 神奈川県でトマトを対象にトマト茎えそ病(仮称)(CSNV)
▽9月14日 高知県でトマトを対象にトマト葉かび病(レース4.9)
▽同15日 熊本県でトルコギキョウを対象にトルコギキョウえそ輪紋病
(関連記事)
・「平成27年度病害虫発生予報(水稲)」発表 農林水産省 (15.07.29)
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