斑点米カメムシや吸汁性害虫に効果 ダウが新剤2018年1月26日
・園芸用と水稲用殺虫剤を新発売ダウ・アグロサイエンス
ダウ・アグロサイエンス日本(株)は、園芸用と水稲用の新殺虫剤を開発、昨年12月25日に登録を取得した。1月25日、その新製品発表会を開いた。
新製品は、野菜・果樹用の殺虫剤「トランスフォームフロアブル」と水稲用殺虫剤「エクシードフロアブル」の2つ。どちらも有効成分であるイソクラスト(一般名はスルホキサフロル)を活用した新規系統の画期的な殺虫剤だ。野菜・果樹や水稲で問題となる害虫に対して安定した防除効果が期待できるという。
新製品発表に先立って栗田道郎社長は、ダウ・デュポンのアグリカルチャー事業部門の位置付けや今後果たすべき役割について、次のように語った。
ダウ・デュポンのアグリカルチャー事業部門は、デュポンパイオニア、デュポン農業製品事業部、ダウ・アグロサイエンスの強みを統合した事業部門であり、その強みとは、たとえば、(1)遺伝資源、バイオテクノロジー形質、農業作物保護、種子技術、デジタルを駆使した農業分野における短期的なパイプラインを有する幅広い製品とサービス、(2)農業のイノベーションと新たなテクノロジーを促進する世界クラスのR&D機能、(3)最適化されたグローバルサプライチェーンと顧客中心の販売、流通とチャンネルネットワーク、(4)農業従事者に優れたソリューション、幅広い選択肢および競争力のある価格を提供できる点などにあるとした。
(写真)栗田道郎社長
(写真)新農薬発表会に臨んだ栗田道郎ダウ・アグロサイエンス社長(左)をはじめとする北興化学工業と日産化学工業の担当者
そして、卓越した研究開発とその実績により、業界でもっとも完全な製品ラインを持ち、130か国以上に拠点を置く農業分野におけるグローバルリーダーであることなどから、すでに世界中の農業従事者からの強力な支持を獲得。農業におけるイノベーションを推進し、世界中の農業生産者の生産性向上や世界人口の増加に対応する食料安全保障の強化に尽力することが同事業部門の基本的な目標コミットである。
さらに、ダウ・デュポンは今後、アグリカルチャー事業部門を独立した上場企業として分割する計画であるとし、来年の第一四半期を目標に新会社の名称を発表したいと述べた。
◆カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミに効果
続いて、製品担当マネージャーの土田修氏が新製品について説明。トランスフォームフロアブルは、野菜・果樹の吸汁性害虫防除のために、北興化学工業(株)と日産化学工業(株)と合同で開発したスルホキシイミン系の有効成分をもつイソクラストという新系統の殺虫剤。既存の殺虫剤とは構造が異なり、ユニークな作用性を持つことからスルホキシイミン系として新設されたグループ4Cに分類される化合物。
(写真)土田修・製品担当マネージャー
同剤の特長は、(1)カンキツ類問題となるカイガラムシ類、トマト・キュウリのアブラムシ類やコナジラミ類に安定した防除効果を発揮する、(2)速効性に優れ、効果が速やかに発現する、(3)残効性や耐雨性にも優れていることなどにある。すでに世界47か国で登録されており(国内では昨年12月25日付けで登録認可)、果樹類、野菜類、小麦、綿花などの幅広い作物で使用され、好評を得ている。
◆斑点カメムシ、ウンカ被害の予防に
(写真)エクシードフロアブル(左)とトランスフォームフロアブル
エクシードフロアブルは、トランスフォームフロアブルと同じ成分の殺虫剤だが、こちらは水稲用のために開発されたもの。
その特長は、水稲で問題となる斑点米カメムシ類、ウンカ類、ツマグロヨコバイに安定した効果を発輝することにあり、「斑点米を徹底阻止し、吸汁性害虫予防の新たな力になる」と同社は自信を持っている。
土田氏は「二つの殺虫剤は、その抜群の効果で、現時点において世界唯一の機能を有するものである」をセールスポイントにして、今後の販売に力を注ぎたいと述べ、二つを合わせた年間の販売額目標を30億円においた。
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