世界に広がる和食ブーム 海外日本食レストラン急伸2015年9月2日
農林水産省は、外務省の協力のもと、海外の日本食レストラン数の調査を実施した。店舗数は約8万9000店だった。
<海外の日本食レストラン数調査>
この調査は、日本食への関心の高まりを示す数値のひとつである海外日本食レストランの数について、外務省の229在外公館が195カ国・地域を対象に、電話帳掲載情報、業種リスト、飲食店情報サイトなどをもとに、調査し集計したものだ。
集計結果によると日本食レストラン数(ラーメン店、カレー店などを含む)は、平成27年7月時点で、前回調査(平成25年)時5万5407店、の1.6倍に相当する約8万9000店に拡大していることが判明した。
和食が世界の食文化遺産に認定されたこともあり、日本食の人気が世界的に高まっていることを示すもの、と農水省は認識している。
<海外日本食レストラン活用策に関する検討委員会の設置>
海外で、日本食への関心が一段と高まっていることが明らかとなったことを踏まえ、日本産農林水産物・食品の輸出拡大には、海外の日本食レストランを活用していくことが、有効な施策であると考えられる。
一方で、多くの海外日本食レストランは、日本産農林水産物・食品の輸出先とはなっていないと言われている。また、本場の日本食の技能を学ぶ機会が無いまま、日本食レストランを営業している、と指摘されている。
このため、9月10日、食関連団体や有識者とともに、「日本食・食文化の普及」検討委員会を立ち上げ、次ぎの2点を中心に、民間主導で進める連携策を検討し、日本食・食文化の魅力発信と輸出拡大を、一体的により強力に推進していく。
(1)海外日本食レストランのネットワーク化(日本食文化サポーター店制度)
(2)日本食料理人の技能向上のための制度(海外日本料理技能認定制度)
<日本食ブームを踏まえたインバウンド対策>
世界的な日本食ブームを受けて、「本場の食」を訪ねたいという、インバウンド需要が更に増えてくることが想定される。このことを踏まえ、9月9日に「食と農の景勝地(仮称)」制度を創設するための有識者委員会を設置する。
国と民間が協働して、認定された「地域の食」や、それを育む地域の「農」の魅力を、日本食・食文化のプロモーション活動や関係省庁の取組を通じて、オールジャパンで海外に発信し、訪日外国人旅行者を地方へ誘導するための仕組みを整えていく予定だ。
また、現在開催中のミラノ万博日本館では、展示や日本食の提供を通じて、日本食の多様性のアピールや、「本場の食」への関心の喚起を図っている。 日本館内の飲食施設(民間)において、欧州初上陸となる日本産の豚肉を使用したトンカツの試験販売が、8月31日より始まった。こうした取組も更なるインバウンド需要の創出に貢献するものと、期待されている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(139)-改正食料・農業・農村基本法(25)-2025年4月26日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(56)【防除学習帖】第295回2025年4月26日
-
農薬の正しい使い方(29)【今さら聞けない営農情報】第295回2025年4月26日
-
1人当たり精米消費、3月は微減 家庭内消費堅調も「中食」減少 米穀機構2025年4月25日
-
【JA人事】JAサロマ(北海道)櫛部文治組合長を再任(4月18日)2025年4月25日
-
静岡県菊川市でビオトープ「クミカ レフュジア菊川」の落成式開く 里山再生で希少動植物の"待避地"へ クミアイ化学工業2025年4月25日
-
25年産コシヒカリ 概算金で最低保証「2.2万円」 JA福井県2025年4月25日
-
(432)認証制度のとらえ方【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月25日
-
【'25新組合長に聞く】JA新ひたち野(茨城) 矢口博之氏(4/19就任) 「小美玉の恵み」ブランドに2025年4月25日
-
水稲栽培で鶏ふん堆肥を有効活用 4年前を迎えた広島大学との共同研究 JA全農ひろしま2025年4月25日
-
長野県産食材にこだわった焼肉店「和牛焼肉信州そだち」新規オープン JA全農2025年4月25日
-
【JA人事】JA中札内村(北海道)島次良己組合長を再任(4月10日)2025年4月25日
-
【JA人事】JA摩周湖(北海道)川口覚組合長を再任(4月24日)2025年4月25日
-
第41回「JA共済マルシェ」を開催 全国各地の旬の農産物・加工品が大集合、「農福連携」応援も JA共済連2025年4月25日
-
【JA人事】JAようてい(北海道)金子辰四郎組合長を新任(4月11日)2025年4月25日
-
宇城市の子どもたちへ地元農産物を贈呈 JA熊本うき園芸部会が学校給食に提供2025年4月25日
-
静岡の茶産業拡大へ 抹茶栽培農地における営農型太陽光発電所を共同開発 JA三井リース2025年4月25日
-
静岡・三島で町ぐるみの「きのこマルシェ」長谷川きのこ園で開催 JAふじ伊豆2025年4月25日
-
システム障害が暫定復旧 農林中金2025年4月25日
-
神奈川県のスタートアップAgnaviへ出資 AgVenture Lab2025年4月25日