飼料用トウモロコシ湿害軽減へ 「耕うん同時畝立ては種」技術 農研機構2015年9月16日
農研機構は9月11日、排水不良ほ場の飼料用トウモロコシ湿害を軽減する技術として「耕うん同時畝立ては種」技術が有効であると発表した。
耕うん同時畝立て播種は、アップカットロータリ後部のスライドヒッチ(他の機械との連結用アーム)に2条用の試肥播種機を組み合わせて行う。アップカットロータリは耕うん爪の向きが変えられる機種を使い、作業ではロータリの耕深と均平板の高さを調整、試肥播種機の高さと水平角度も調整する。この技術では生産者が機械を特別に改良することなく行えるのが利点だ。
畝高さ10センチ前後、播種の深さ3~5センチで飼料用トウモロコシを畝立て播種する。慣行法よりも根系の位置を高くすることで湿害の発生が軽減される。ほ場が過湿であればあるほど湿害軽減効果がはっきりする。
湿害軽減だけではなく、事前の耕起作業がなくなること等により作業時間が約3割減少。またトウモロコシの収量が耕うん同時畝立てにより増収すると仮定した場合、栽培面積が2.1ha以上のとき、可消化養分総量(TDN)1kgあたりの生産費が慣行播種よりも低くなる。
現在、国内の飼料用トウモロコシの作付面積は9万2000haで、そのうちの9000haは水田ほ場での作付を行っている。特に都府県では水田ほ場での作付が2割弱あり、飼料生産の基盤となっているが、トウモロコシは耐湿性が低いため大きな問題となっていた。
(写真 「農研機構提供」)耕うん同時畝立ては種の図 実際に行っている様子
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