「変わる農業が抱える諸課題に挑む」テーマに シンポジウム「植物保護ハイビジョン-2016」開催 報農会2016年9月15日
公益財団法人 報農会(田村貞洋理事長)は9月14日、東京都北区の「北とぴあ」つつじホールにおいて、「変わる農業が抱える諸課題に挑む」をテーマに、 第31回報農会シンポジウム「植物保護ハイビジョン-2016」を開催した。
シンポジウムでは、日本の農業現場で大きな問題となっている、耕作放棄地と農地集積が環境に与える影響や、多発する獣害など、注目されている問題・課題を取り上げ、次の5講演を行った。
○「耕作放棄地と農地集積が植物保護に及ぼす影響」山中武彦氏(農研機構 農業環境変動研究センター)
○「近年多発する獣害について-ニホンジカの脅威-」岡輝樹氏(森林総合研究所 野生動物研究領域)
○「航空防除の変遷・現状と課題」森田征士氏(一般社団法人 農林水産航空協会)
○「超音波を利用した物理的害虫防除技術」小池明氏(徳島県立農林水産総合技術支援センター)
○「栃木県における農産物輸出に関する取組について」高崎正氏(高も埼も旧字)(栃木県農政部)
森田氏の「航空防除の変遷・現状と課題」は、示唆に富んだ講演となった。有人ヘリによる水稲防除は昭和63年のピーク時には、174万ヘクタールで空散防除を行ったが、現在は4万ヘクタール程度であり大幅に減少している。
一方、無人ヘリによる現在の防除面積は、100万ヘクタールを超えている。関連する機体は2800機、オペレーターは1万600名を超えており、水稲防除の基幹となっている。
マルチローター(ドローン)による防除は、今後の展開が注目されているが、バッテリーの開発・改良が大きな課題となっている。ドローンのオペレーターは、一般的に飛行技術には長けているが、病害虫防除の農薬散布に係る知識の導入が遅れており、研修等の充実が急務であるという。
5講演の後に、根岸寛光氏(東京農業大学)、野田博明氏(前農業生物資源研究所)両氏が座長となり、総合討論を行いシンポジウムを締め括った。
(写真)航空防除の課題を講演する森田征士氏
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日