金額で101.8%と僅かに増加 |
農薬工業会(村田利和会長=東京都中央区日本橋室町1−5−8)は8月10日、平成12年6月度農薬出荷概況を公表した。今回の数値は、平成12農薬年度の第3四半期の実績であり、一部の特定の分野を除き、ほぼ本年度の見通しがついたものと思われる。 それによると、出荷は数量23万トン(前年比4000トン減、98.3%)、金額2960億円(同53億円増、101.8%)と数量は微減となり、金額はわずかに増加した。特徴としては、水稲箱処理剤が普及拡大、病害虫の発生動向では斑点米カメムシの多発生が見られた。 先ず、今期の月別動向を見ると、数量では2月(105.2%)、6月(103.7%)が前年を上回ったほかは各月とも前年を下回って推移し、金額では1月(98.7%)、4月(94.0%)、5月(96.6%)が前年を下回ったものの、累計では各月とも前年を上回る実績で推移している。 さらに、使用分野別でみると数量は野菜畑作分野でわずかに増加したほかは全ての分野で減少しており、金額はその他の分野でかなり減少したほかは全ての分野で増加した。加えて、種別では殺虫殺菌混合剤、除草剤が数量、金額ともに増加している。殺虫剤、分類なしで数量が減少し、金額は増加した。このうち殺菌剤のみが数量、金額ともに減少している。 今期の特徴としては、水稲箱処理剤が普及拡大され(特に混合剤への移行)、本田で使用する殺虫剤、殺菌剤がかなり減少した。また、水稲一発剤の出荷は数量でジャンボ剤他がわずかに前年を上回ったが、その他の剤型は全て減少した。面積換算では出荷率が前年比95%となっている。さらに、果樹、野菜畑作におけるダニ剤が増加した。昨年は比較的ダニ類の発生が少なかったことと、流通在庫が多かったことによるものと思われる。 水稲一発処理除草剤、剤型別概算
*ジャンボ:ジャンボ剤+顆粒剤
一方、6月末までの病害虫発生動向を見ると、水稲いもち病で注意報1県(昨年同期で注意報2県)のほか、斑点米カメムシ類3県、果樹カメムシ類17県、イネ科作物アワヨトウ6県などの注意報が出されていて、全般的に害虫の発生が多い状況にある。 |