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除草剤耐性トウモロコシでライセンス契約を発表
ダウ・アグロサイエンスとBASF


 ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーの100%子会社であるダウ・アグロサイエンスLLC(本社・米国インディアナ州、社長兼CEO(最高経営責任者)=C・フィッシャー氏)とBASF(本社・独国ルートヴィクスハーヘェン)は9月12日、クリアフィールド*(*はBASFの商標)生産システムによる除草剤耐性形質の入手可能性を種子トウモロコシ産業に拡大する契約を発表した。

 本契約は、ダウ・アグロサイエンスにトウモロコシの除草剤耐性形質の販売権とサブライセンス権を供与し、BASFの除草剤耐性作物に関する技術とダウ・アグロサイエンスの害虫抵抗性形質及び高収穫性ハイブリット開発技術とを結合させたもの。これら高性能トウモロコシ品種の販売は、より農家の生産選択肢をアップさせることになる。
 これらの周辺について、ダウ・アグロサイエンスの作物遺伝形質販売子会社、アドバンスト・アグリ・トレイツ(AAT)のゼネラル・マネージャー、ダグ・ヴォーター氏は「これは世界のトウモロコシ産業に画期的で、多種に及ぶ製品を提供しようという我々の計画の重要なステップ」、と語っている。

 また、BASFの除草剤耐性作物グローバル・ディレクター、スコット・ガディス氏は「この技術を多くの種子メーカーが入手できることにより、栽培家がその地域で最適化したハイブリットを入手でき、長期間にわたり広範囲の雑草を防除するクリアフィールド除草剤と共に、農家の生産性を一段と高めることになる」、と強調している。

 ダウ・アグロサイエンスでは、子会社のマイコジェン・シーズ事業部を通じて販売しているトウモロコシのハイブリッドにおいて、既にこの形質の販売を行っている。今回のライセンス契約により、同社は生産とその形質販売子会社であるAATを通じて、その他の種子会社への技術サブライセンスが可能となった。
 AATは1998年に設立され、新規作物技術の提供または獲得希望会社を対象にライセンス業務ネットワークを提供しており、ヴォーター氏は「農家にとっての利点は、地元の種子供給業者から高品質の種子や技術の利用が可能となることだ」、と述べている。

 米国のライトニング*やラテン・アメリカでのオンデューテイ*といった除草剤はクリアフィールド生産システムの一部。これらの除草剤は植物にはあり、哺乳類、鳥類、魚類、昆虫にはない酵素に作用するもので、この選択性は面積当たりの低い使用量で環境に負荷を与えず、これら除草剤に際立った雑草防除が行える。

 クリアフィールド除草剤は発芽後の雑草だけでなく、栽培シーズンを通じて広葉及びイネ科雑草防除効果を持続する利点があり、農家は除草剤施用量を削減できることになる。
 さらに、ヴォーター氏は「高収性トウモロコシのハイブリッドに除草剤耐性形質と害虫抵抗性形質が補完されることが、農家にとっての利便性、収量水準の安定化が高まると同時に環境を守る助けとなる。この技術は、現在の農耕地面積で増え続ける世界の人口を支えようとする我々の努力に欠かせないものだ」、と結んでいる。

 なお、今回の両社の契約にはグローバルなライセンス権の適用が要されるが、当面は北米と西半球に集中してBASFの形質システムを市場化していく計画だ。



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