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全国無洗米協会設立へ 無洗米の普及・促進に拍車


 洗わず(研がず)に炊ける簡便性と、とぎ汁を出さない為に、河川等の水質汚濁防止の決め手となる環境に優しい米として、食味の良さも相俟って無洗米にたいする評価は高いものがある。首都圏の生協や業務用などを中心に需要が伸びているこの無洗米について、一般に理解を深め、その普及を促進する目的で、「全国無洗米協会」が設立されることになり、その設立総会が10月12日、東京都千代田区のパレスホテルにおいて開催された。
 設立総会では、協会の設立を決め、役員や定款を決定するとともに、協会としての統一ロゴマークを決定し、このロゴマークを基に、一般消費者へ理解を求めるPR活動を行っていくことを決めた。

 無洗米は米の精米の過程の中で、米の表面に付いているヌカを全面的に取り除くために、ご飯を炊く時に洗米しなくとも(研がなくとも)よい米で、手間がかからず便利であり、とぎ加減などに苦労することもないことから女性に歓迎され、首都圏の生協などを中心に販売を伸ばしている。
 また、一般にはあまり知られてないが、米のとぎ汁は海や川に流れ込んで、ヘドロとなり、更にヌカに含まれるチッソやリンが浄水場では処理しきれず、海や川に流れ込んで、赤潮やアオコの原因になるなど、環境に悪影響を与えている。
 これに対して、無洗米はご飯を炊く時に米のとぎ汁が出ないため、環境にもやさしいという意味でも評価をされ、琵琶湖の汚染に悩む滋賀県が琵琶湖の環境汚染防止に力のあった商品に賞を贈るという主旨で設立したエコライフ琵琶湖賞で、BG無洗米は、第一回目の最優秀賞を受賞している。
 便利なだけでなく、このように環境にもやさしいということも受けて、家庭用だけでなく、企業の社員食堂、業務用の弁当などでも需要を伸ばしている。
 無洗米の発想は以前にもあったが、東洋精米機製作所の雑賀社長がその技術を開発・確立し、現在、市場に出回っている無洗米の9割程が、東洋精米機製作所の技術で処理されたものである。

 協会が設立された背景は、市場に製法の異なる無洗米が出始め、有識者などから「現在のままでは消費者に混乱が出ることが予想されるので、そうしたことのないように、無洗米の規格を決め、品質の維持を図るべき」と言うような声が出始めたことなどによるもの。

 10月12日にパレスホテルで開催された設立総会には、全国最大級の米穀卸会社、木徳神糧株式会社(本社=東京都)の稲垣辰彌会長、無洗米の製造機械で圧倒的なシェアを持つ株式会社東洋精米機製作所(本社=和歌山市)の雑賀慶二社長など設立発起人が参加し、全国無洗米協会の設立を決め、協会の定款などを採択した。
 また、協会としての無洗米の統一ロゴマークを決め、協会が定める無洗米の基準に合格した米には、この統一ロゴマークの使用を認めて、基準の確保とともに、消費者へのPR活動をこのマークを通じて行っていくことを決めた。

 協会では、役員・理事を選任し、総会後の理事会で名誉会長に雑賀慶二氏、理事長に稲垣辰彌氏、専務理事に岸永三氏等を互選した。
 協会では、全国の米穀卸業者や農協関係団体、食糧関係機関などにも参加を呼びかけていて、内諾を得ている会社や団体もあり、1カ月程で会員は50社・団体以上になる見込み。
 協会では今後、米のとぎ汁が環境に悪影響を与えていることの啓蒙活動や、無洗米の理解促進の広報活動とともに、会員の輪を広げる活動を行っていく予定でいる。

 尚、協会顧問には、歌手で環境改善運動にも活躍する加藤登紀子さん、米の権威者である新潟大学名誉教授の倉澤文夫氏などが就任した。

 問い合わせは
   全国無洗米協会事務所
   住所・東京都千代田区一番町22−1 一番町セントラルビル7F
   電話・03−3221−6271

無洗米推移表(BG米)
年度 年間生産数(t) 一日あたり食数
92年度 1,500 52,000
93年度 4,900 176,000
94年度 20,000 731,000
95年度 25,000 910,000
96年度 48,000 1,745,000
97年度 81,000 2,916,000
98年度 107,000 3,851,000
99年度 163,000 5,874,000
2000年度(予想) 220,000 7,930,000



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