農薬工業会(村田利和会長)は10月13日、平成12年8月度の農薬出荷概況を発表した。
それによると、8月度累計では出荷数量28万トン(前年比5000トン増、101.7%)、出荷金額3395億円(同99億円増、103.0%)となり、数量ではわずかに、金額ではやや増加している。
これについて、平成8年度を基準(100%)として年次推移を見ると、前年度までは数量、金額ともに減少が続いたが、本年度はわずかに前年を上回った(数量79%、金額93%)。然し、全体としては減反強化の影響が大きい。
また、使用分野別での前年比増減は水稲、果樹、野菜畑作で数量、金額ともに前年を上回った。金額では特に水稲(105.1%)、果樹(106.2%)の伸長が指摘できる。その他では数量(92.6%)、金額(90.0%ともに前年を下回った。
さらに、種別での前年比増減では、数量は殺菌剤(92.2%)と植調剤(99.7%)を除いてすべて増加し、金額では殺菌剤(98.2%)のほかはすべて増加した。殺虫剤(数量105.7%、金額103.5%)の増加は水稲及び果樹でのカメムシ類の全国的な発生によるものと考えられる。
なお、用途区分において、前年を大きく上回っている項目を見ると、水稲では除草剤(その他)、殺虫剤(メイチュウ・ウンカ・ヨコバイ)、除草剤(初期剤)、混合剤(イモチ+虫)、果樹及び野菜では除草剤(全般)がそれぞれ指摘できる。反面、前年を大きく下回っている項目は、水稲では殺菌剤(イモチ・モンガレ)、殺虫剤(イネミズゾウムシ)、その他では除草剤(非農耕地)等が挙げられる。
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