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世界的アグリビジネス巨大企業が誕生
「シンジェンタ」11月13日いよいよ発足

ノバルティス−アストラゼネカで農薬部門を統合


 FTC(米国連邦取引委員会)は11月2日、英・アストラゼネカのアグロケミカル事業部門とスイス・ノバルティスのアグリビジネスの統合を承認した。これにより、世界をリードするアグリビジネス巨大企業「シンジェンタ」が11月13日にいよいよ誕生する。

 両社の売上高の合算は約70億ドル(1999年)に達し、2位のアベンティス クロップサイエンスの売上高43億2000万ドル(同)を大きく引き離すことになる。また、研究開発に対する投資額は約7億6000万ドルの巨額に及び、競争力が一層強化されることになる。
 両社の合併に関してこれまでの経過を見ると、既に欧州委員会は本年7月に承認しており、アストラゼネカとノバルティスの株主は10月11日に承認に至っている。今回のFTCの承認によって、新会社「シンジェンタ」は来る11月13日の船出となった。
 認可を受けるに当たっては、アストラゼネカの「アセトクロール」(除草剤)が米ダウ・アグロサイエンスに、さらにノバルティスの「フリント」(殺菌剤)が独バイエルに、それぞれ売却されたが、これらを除いた1999年の合算売上高は約70億ドルとなり、世界の農薬市場で巨大企業が誕生することになる。

 「シンジェンタ」は、農薬では世界のトップ企業へと変貌し、高付加価値種子の分野では世界第3位のポジションを確保する。従業員数は2万3000人を超え、今後はスイスのバーゼル市に本拠を置き、世界50か国以上で事業を積極的に展開していく。
 ここ数年来、海外企業の統合・再編がつづいている。大幅な合理化及び事業の再構築を通しての、将来に向けた生き残り戦略を具現化したものだ。これを受け、海外企業はわが国において「直販体制」の構築を一つの戦術として鮮明化しつつある。この現象に対して、国内農薬企業はどう対応し、生き残りをはかっていくのか、いま、大きく問われている。

 

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