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県単位のきめ細かなアプローチを
2005年の売上目標は330億円
−日本バイエルアグロケム−

ローレンス・ユー
代表取締役社長

 日本バイエルアグロケム(株)(東京都港区高輪4−10−8)のローレンス・ユー社長は11月30日、東京都千代田区大手町のアーバンネット大手町ビルにおいて記者会見し、事業内容及び今後の戦略を明らかにした。公式に、報道関係にその姿を見せたのは初めて。

 世界的な総合化学・ヘルスケアグループのバイエルは、日本において現在10社のグループ会社を擁し、多岐にわたる事業を精力的に展開している。今回の記者会見は、事業グループごとに行っている戦略披露の一連のもので、ユー社長らしい熱気に溢れた会見となった。

 先ず、日本バイエルアグロケム(株)の現況を見ると資本金7億1,280万円、売上高250億円、従業員数318名となっている。外資系農薬メーカーでは唯一、有効成分の研究、合成、製剤、登録、原体供給、販売、輸出まで一環して手掛け、特に結城中央研究所は世界三極体制の一翼を担う。

結城中央研究所


 技術開発では、1980年代にメフェナセットベースの水稲用一発処理除草剤(ヒノクロア)、また1990年代にイミダクロプリド及びカルプロパミドをベースとする育苗箱施用薬剤(ウィンアドマイヤー)を開発、さらに2000年代早々には新規の園芸及び水稲用クロロニコチニル剤チアクロプリド(バリアード)、フェントラザミドをベースとする田植同時処理用一発除草剤(イノーバ及び散粒機イノベータ(別販売))の有力製品が続く。
 これらの有力剤を中心に、同社では2005年の売上目標を1999年比31%増の330億円としているが、なかでも殺虫剤の155億円が光っている。加えて、ノバルティス社から買収した大型殺菌剤フリントにおいては、年間15億円の市場を確保したい意向だ。

 記者会見席上、ユー社長は今後の進路を「直販あるいは間接、系統あるいは商系ルートにかかわらず、均一なサービスの提供」を強調、また「都道府県ごとのきめ細かなアプローチを通じ、流通を強化する」と力説した。その他では、開発における「プロジェクト・マネジメント」方式、管理におけるEコマースの導入が注目される。

 なお、同社はこのほどバイエル会(常任理事会)を解散した。卸流通の再構築に狙いがあり、戦略的には個別取引契約、戦術的には個別品目契約へのシフトであるが、この背景として「要因の一つに、市況品目対策があったのではないか」(業界評)、があげられている。いずれにしても、時流に乗った的確な判断ではないか。ユー社長の、今後の「舵取り」が期待される。




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