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上昇機運に乗った経営成績
平成12年10月期決算短信(連結)を発表
−クミアイ化学工業−

 クミアイ化学工業(株)(望月信彦社長=東京都台東区池之端1ー4ー26)は12月20日、平成12年10月期の決算短信(連結)を発表した。それによると、グループの売上高468億3,000万円、営業利益13億9,400万円、経常利益14億9,300万円、当期利益7億100万円となり、上昇機運にある。

 農薬業界は、引き続いての農薬価格の引き下げと販売競争激化による販売価格の低下が続いている。このなかで、カメムシ類を中心とする害虫の全国的な発生が見られ、農薬の出荷は数量、金額ともやや前年を上回ったが、農薬市場の縮小傾向に歯止めがかかったわけではなく、水田減反強化の影響が大きく、逆風となっている。
 この様な情勢下で同グループは、より顧客を重視した積極的な営業活動を展開し、カメムシ等の異常発生に対しても連結子会社の尾道クミカ工業(株)も含めて、迅速・適切な生産体制を実施してきた。

 化学品部門から見ると、国内農薬営業にとり最大の市場となっている水稲の作付け面積が前年に比し1万7,000ヘクタール(約1%)の減少となり、水稲除草剤はシェア競争が一段と熾烈となった。この中で、水稲用除草剤「ジョイスター」、「プロスパー」、水稲用殺虫殺菌剤「ウィンアドマイヤー」等を中心に拡販に尽力した。
 また、園芸用殺虫剤、殺菌剤についてもキメ細かな販売促進を実施した。さらに受託加工等については前期水準を堅持したが、非農耕地用薬剤の分野はゴルフ場の経営不振の影響を受け、売上減となった。
 なお、ノバルティス アグロ(株)の要請により、園芸用殺虫剤「スプラサイド」、水稲用除草剤「ソルネット」等の取扱いを平成12年10月1日より中止している。

 国内農薬営業については、直播水稲用薬剤「ノミニー」の市場拡大と普及推進、並びに棉作用除草剤「ステイプル」等の普及推進に努めた結果、為替の円高基調が続いたにもかかわらず、ほぼ前期並を達成している。化学品部門としては、売上高は438億円となった。
 その他の部門では、流通・印刷部門とも、需要の低迷による受注競争の激化から価格低下傾向が続く厳しい状況にあった。その中、新規顧客などへの取扱拡大に努力するなど、積極的な展開を図った結果、売上高は流通部門12億6,800万円、印刷部門17億6,100万円となった。

 一方、次期の見通しについて、平成13年度農薬価格の0・3%引き下げ、大幅な減反が予想される状況下、同グループは収益本位の経営に徹し、売上、利益の確保、増大ができる企業体質の確立を基本方針として経営を展開していく。
 化学品部門においては、国内農薬営業で新規に上市した水稲用除草剤「パットフル」は豆つぶ製剤の利点を生かし普及基盤の確保を目指し、「ジョイスター」、「プロスパー」、「ウインアドマイヤー」を中心として既存市場の確保と拡大に向けて、それぞれ販売促進を実施することにしている。
 また、受託加工の拡大や非農耕地薬剤の市場確保、販売拡大に向けても積極的に展開していくことにしている。

 国内農薬営業では、「ステイプル」、「ノミニー」の拡販や市場拡大を目指し、既存剤の水稲用除草剤「サターン」、殺菌剤「キタジン」等の安定市場の確保並びに新規上市の米国向け植物成長調整剤「アポジー」、「ベースライン」、その他の剤についても普及拡販に努めていく。
 その他の部門においては、引き続き新規顧客の開拓に努めるとともに、より一層の経費の節減に努め、売上、利益の確保を図っていく。
 次に、研究開発では前期に引き続いて研究開発の効率化を目指した体制を整備し、自社新規剤の研究開発を継続するとともに、市場ニーズを的確に捉え、販売活動に直結した商品の早期開発に活動の重点を置いていく。

 同グループでは、引き続く厳しい事業環境の中、市場ニーズの動向に迅速かつ的確な対応を図るとともに、経営の効率化を進め、売上、利益の確保、増大のできる企業体質を創りあげるようグループ全社一丸となって取り組んでいくことにしている。
 これらから、次期の業績見通しは、売上高460億円、経常利益13億円、当期純利益6億5,000万円と予想している。配当については、1株につき3円を予想している。



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