BASFアグロ(株)はこのほど、2001年1月1日付で新会社を設立したことから記者会見を行い、長期的な事業戦略を披露した。世界的には、農薬市場で2010年までにトップシェアを握り、国内的には現在の年商を同年までに2倍に引き上げていく。
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BASFアグロ(株)エドワード・J・ブラウン・Jr.社長 |
BASF(ドイツ・ルートヴィッヒスハーフェン)は、世界でグループ総売上高約295億ユーロ(1999年)を誇る、世界トップクラスの化学会社。現在、400社を超えるグループ企業を擁し、従業員数10万人以上、世界中をマーケットとする一大企業グループを形成。
事業内容は化学品、プラスチックス・繊維、染顔料・加工仕上剤、石油・ガス、健康・栄養関連−−の5つの部門から構成され、この中でも農薬事業を含む健康・栄養関連部門の拡充は同社の世界戦略の一翼を担い、昨年度はグループ全体の約50%に相当する研究開発費を投じた。
また、日本のBASFグループは、BASFジャパン(株)を中核に石油・ガス事業を除く4つの事業部門と10社のグループ企業によって構成されている。1999年度のグループ総売上高は約1,090億円で、アジア・太平洋地域の中でも重要な拠点となっている。
一方、BASFの農薬事業は、世界130カ国において200種類以上の原体を供給する。世界3位の農薬メーカーとなったBASFは、グローバルな視野での農薬事業の基盤強化と販売規模の拡大を通して、農薬事業における世界のリーディングカンパニーを目指している。
アジア・太平洋地域におけるBASFの農薬事業の売上高は350億円、そのうち約3分の1強を日本市場で占める。国内市場は、2001年度に130億円の売上を見込んでおり日本モンサント(株)、ダウ・ケミカル日本(株)を抜き、国内第5位の外資系農薬メーカーとなる。
記者会見席上、エドワード・J・ブラウンJr.社長は、「世界で2010年までにNo.1農薬企業になる」ことを力説、「日本においても年商を同年までに2倍の約260億円」に持っていくとした。現在、国内外資トップは日本バイエルアグロケム(株)であり、この10年で外資農薬メーカーのトップグループ入りを果たしていく。
BASFの製品開発品目は非常に強力なものだが、2006年までに除草剤、殺虫剤、殺菌剤を合わせ15種類の上市を予定しており、日本にはこのうち、少なくとも13種類の新製品を市場投入していく方針であり、国内外を問わず農薬事業に積極的に挑むBASFの姿があった。
このほか記者会見では、当日のロイター通信の報道を受け「市場の動向を確実に捉え、何が今一番できることかを追求し、製品の入手にも積極的に働きかけていきたい」(ブラウンJr.社長)としたほか、GMOに関連し「クリアフィールド」に精力的に挑んでいくことを強調した。
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