トップページにもどる 農業協同組合新聞 社団法人農協協会 農協・関連企業名鑑


ダウ、ユニオン・カーバイドとの合併で世界のポリエチレン市場の競争力を拡大

 本紙既報の通り、ダウとユニオン・カーバイドとの合併が正式に成立したことを受け、ダウのポリエチレン(PE)事業部門はグローバル市場におけるトップPEメーカーとしての市場基盤をさらに強化・拡充するとともに、よりグローバルな競争の展開が可能となった。

技術基盤を強化

 ダウはPEの最先端技術を保有しているが、今回の合併でこの技術基盤がさらに強化されることになる。ダウは、世界トップクラスのソリューションプロセスであるインサイトテクノロジーに加え、ユニベーション・テクノロジーズ社が保有するユニポールPEガス気相法プロセスと触媒技術へのアクセスが可能となる。
 契約によると、ダウの子会社となったユニオン・カーバイド社が、ユニポールPEライセンス事業部と従来型触媒事業部をユニベーション・テクノロジーズ社にシフトする。具体的には、ダウはエクソンモービル・ケミカルと、ユニベーション・テクノロジーズ社の株式を折半で保有するが、今後はユニベーション社が既存のユニポール・ライセンス使用者に対してガス気相法PE触媒を提供していく。
 ダウはまた、これまでBPアモコと共同開発してきたガス気相法PEプロセスメタロセン触媒技術に関連した特許と他の資産をBPアモコに売却することに合意している。本契約は、ダウの既存のPE技術の一部のみに適用される。ダウは、溶液法プロセスメタロセン技術(インサイト技術)に関する全ての所有権と技術実施権を今後も保持する。

世界屈指のPE製品群を構築

 今回の合併でダウは、ダウレックスLLDPE樹脂、サランPVDCフィルムと樹脂、プリマコール接着性コポリマー、アフィニティーポリオレフィン・プラストマー、ダウのインサイト技術を使って製造されるエリート・エンハンスド・ポリエチレン製品、さらにユニオン・カーバイド社のタフリンLLDPE、スーパータフリンLLDPE、フレクソマールVLDPE、ユニバール、ユニポールHDPE樹脂、などの先端製品を柱に、世界で最も幅広いPE製品群を構築できるようになる。
 ダウでは、このような製品ポートフォリオを背景に農業用フィルム、瓶、チューブや円筒形容器、消費者用バッグやパッケージ、繊維、食品向けパッケージやコーティング、医療向けフィルムや不織布、高耐久性袋、プラスチックパイプ、シートや膜、収縮・伸縮フィルム、玩具、娯楽機器など、PE樹脂が使われるほとんどの市場に参入することになる。

生産拠点が拡充

 今回の合併により、ダウの北米、南米、アジア太平洋、中東にある生産拠点が一層充実され、年間の総生産量は820万トンに達することになる。新たにダウの傘下に入るプラントはテキサス州シードリフト、ルイジアナ州タフト、カナダのアルバータ州プレンティス、さらに合弁によりカナダのモントリオール州、ブラジルのクバタオ、クウェートのシュアイバ、日本の川崎市のプラント、など。
 今回の合併の周辺について、ダウ・グローバルPE事業部門のレン・アザーロ副社長は、「PE業界では以前から再編が進んでいる。ダウは今回の合併でグローバルな競争力を維持できる。市場では依然として熾烈な競争が展開されており、10数社以上のPEメーカーが潜在市場のシェア獲得を狙って激しい争いを展開している」と語っている。

ダウのPE事業部

 なお、最近の組織変更によってダウのPE事業はポリオレフィン・エラストマー事業グループに入る。同グループにはPEに加えポリプロピレン、エチレン・スチレン・インターポリマー、PET/PTA、ワイヤ&ケーブルが含まれ、同事業グループのプレジデントにはロメオ・クラインバーグが就任する。



農協・関連企業名鑑 社団法人農協協会 農業協同組合新聞 トップページにもどる

農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
webmaster@jacom.or.jp