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ラウンドアップハイロード  その勝利の方程式は剤の持つパワーに

 「最も抑草期間の長い茎葉処理除草剤」として多くの農家に愛用されているラウンドアップ。その除草効果をさらに高めたラウンドアップハイロードが、平成11年末から供給されほぼ全面的な切替の中で、大きな成果を収めている。
 JA全農は、海外原体メーカーと直接取引することで、農薬価格を引下げ、また特許切れ農薬を取り扱うことで安価な農薬を供給するなど、低コスト農業に貢献している。直接購買の象徴的品目であり、その比率を高めたラウンドアップ。勝利の方程式はどこにあったのか。
 1980年(昭和55年)9月22日、ラウンドアップは農薬登録を取得し、颯爽と非選択性茎葉処理除草剤分野に挑んできた。しかし、先行剤が台頭する状況下、本剤はコスト的にはるかに高価格であったが、高濃度使用を可能にしたことから、本来のパワーを発揮していくことになる。
 年月が巡った平成8年、日本モンサントはそれまでの販売会社であるクミアイ化学工業と三共を外し、JA全農及び商系卸(約50社)への直接販売を開始する。同社は、これによって末端ニーズを迅速・的確に把握し、農家に対し還元していこうという背景があった。
 前年、平成7年のラウンドアップの実績を見ると約22万ケース(JA全農シェア38%)あったが、今日のラウンドアップハイロードは約37万ケース(同45%)と急伸している。これは「JA、経済連、JA全農の普及の成果」と見られるが、かつてのクミアイ化学工業と三共の努力も忘れてはならないだろう。
 さて、ラウンドアップの除草効果をさらに高めたラウンドアップハイロードは、1998年(平成10年)12月11日に農薬登録を取得した。「ゾロ品対策で差別化製品を出したかった」(業界通)との声もあるが、ここでは深入りをしない。本剤は、従来のラウンドアップに比べ活性成分であるグリホサートを約30%増量、さらに製剤改良によって植物体内への吸収速度を高め、除草効果をパワーアップさせた茎葉処理除草剤だ。しかも環境へのやさしさは従来通りで、安全性も極めて高い。
 JA全農では、平成11年度に全国約1,000カ所でラウンドアップハイロードの「防除合理化圃場特別展示圃」の設置を進め、極めて高い試験結果を得ている。本剤の特徴はスギナ防除に最適、効果にフレが生じやすい草種に対しても高い効果、雨が降っても効果が落ちない、に集約されよう。
 JA全農は、平成8年からラウンドアップの直接購買を開始した。直接購買による価格引下げ(基準規格)の推移を見ると、平成8年度▲20%、9年度▲5%、10年度▲2%、11年度▲1%、13年度▲1%を達成し、7年度価格比▲27%(引下率合計▲29%)を達成している。このことからも本剤が、直接購買品目の象徴的品目であることが分かる。
 さらに、ラウンドアップハイロードでは大型規格設定による実質的な価格の大幅な引下げが実施されている。大型規格(2、5L)の売上比率は49%にも及び、平成12年度では大型規格の伸長による加重平均価格▲6.7%(前年対比)、▲10.2%(対500ml)を確保、この3月には20Lの供給も開始し、いわゆる「ラダー戦略」が完璧なものとなった。
 ラウンドアップの勝利の方程式は、本剤の持つ卓越した防除効果とともに価格政策にあったと見られる。重ねて、本剤はJA全農の直接購買の象徴的品目となったが、激動の農薬業界にあっても象徴的な品目となったことを付記しておきたい。



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