(株)東友精米は、本社及びグループ会社を東大阪市に移転し、平成12年12月にはBG無洗米加工ラインを設置、さらに同ラインをグループ会社の(株)ライスデリカのHACCPシステム炊飯ライン(平成13年1月19日社団法人日本炊飯協会認定)に直結した日本初の複合炊飯工場をスタートさせた。
この複合施設はグループ各社が入る(株)東友精米本社ビルの1階にBG無洗米加工施設、2階には(株)ライスデリカの炊飯工場という構造になっている。
炊飯工場では、清浄区域の気圧を高めに設定することにより、クリーンな空気の流れをつくり出したり、清浄・準清浄区域に入るためには手・指・爪の消毒やエアシャワーなど徹底した殺菌・消毒が行われている。
他にも空調設備、壁材・天井材、照明器具などあらゆる設備においてHACCPシステムに対応している。同炊飯工場ではHACCP導入以来、見学者が後を絶たないという。
ちなみに、これらの設備に要した費用は、グループが当初見込んだ予算を大きく上回り3倍強にまで膨れ上がったという。しかし、これらの設備投資による効果は、むしろ「HACCP導入により、従業員の衛生意識が著しく向上した」(東井茂(株)東友精米社長)点に現れており、その価値は計り知れない。
例えば、冷却ラインなどを設置する清浄区域では、全従業員が粉塵や浮遊菌等に常に注意を払い、コンピュータのICチップの製造が可能なほどの僅少粉塵数を実現している(従来の食品加工工場ではその100倍、1000倍でもHACCPに対応できる)。また自社検査室では毎日菌検査を実施するとともに、第3者機関による立入検査も定期的に行われており、衛生・品質管理は徹底している。
東井社長は「炊飯工場に求められることは、とにかくご飯の品質を高くかつ一定に保つこと。そのためにBG無洗米直結炊飯ラインのメリットを活かしてBG加工直後(最長48時間以内)の新鮮な米を炊飯している。また、従来のような大量保存、大量洗米、大量浸漬の必要がないため、品質のバラツキを防ぐこともできた。さらにBG無洗米の導入により洗米機や浄化設備等を省くことができたので、HACCPに対応した衛生・品質管理がスムーズに行え、他社には真似のできない安全かつ新鮮な米飯の供給を実現している」と新しい設備に手応えを感じている様子だ。
さらに「うまいご飯は水と米で決まる」というある大学の研究データに着目し、炊飯の際に米粒が最初に触れる水にも気を配った。浸漬水には、まず水道水の塩素を除去後、その水を活性化させたものに、さらにマグネシウムを中心とした77種類の天然複合ミネラル(商品名グレイト・ミネラル、問い合わせ=(株)グリーンハート・インターナショナル)を混合したものを使用するという念の入れようだ。
これによって炊き上がったご飯は、ミネラルの働きによる保水効果の向上でおいしく、経時劣化が最小限でくい止められるとともに抗菌効果が発揮される。「この試みは、水を使わないで加工するBG無洗米だから為せることであり、BG直結炊飯ラインを導入してからは、ご飯に対するクレームが一切なくなった」(東井社長)ということを強調した。
(株)東友精米では現在,BG無洗米の月間供給目標を500tに設定し、目標達成に向けて従来の量販店等への営業をさらに強化するとともに業務用にも積極的に展開している。また、グループ力を活かしてお米の銘柄に合わせたミネラルバランスを調整する実験等炊飯に対する新たな取り組みや、新商品の開発に余念がない。
(株)東友精米 TEL06−6748−7777
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HACCPの認定証
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