農薬工業会(正会員:60社、賛助会員:27社)は5月17日、東京都中央区日本橋の日本橋倶楽部会館において『第70回通常総会』を開催し平成13年度事業計画、役員改選など全ての議案を承認、厳しい農薬をめぐる環境の中で、逞しく前進することを再確認した。
農薬業界の動向を見ると、平成13年度の農薬価格は、平均0.3%の引き下げとなり、農薬需要の減少に加え、原材料費、安全対策諸経費等の値上がりの中で、過去8年連続しての値下げとなった。
このような背景下、同会では新年度も引き続き、農薬流通の改善、流通の適正化、近代化等を推進するため、返品の削減、物流の合理化等の課題に取り組み、企業経営の環境改善に努めていくことにした。
平成13年度事業計画のポイントとしては、公正な流通と流通の近代化の実現、無登録農薬等の追放、内分泌攪乱物質及びジェネリック品登録規制緩和問題への継続対応等が挙げられる。特に、無登録農薬等の追放は重点課題であり積極的な働きかけを行っていく。
一方、役員改選では総会後の臨時理事会で、新会長に山本佳彦氏(北興化学工業(株)代表取締役社長)、新副会長に藤本修一郎氏(日産化学工業(株)代表取締役社長)及び井上克信氏(日本曹達(株)常務取締役)の各氏をそれぞれ選任した。
記者会見席上、山本新会長は農薬をめぐる環境には非常に厳しいものがあるとしながら「前会長の路線を踏襲しながら、物流の合理化等に積極的に取り組み、広く農業生産に貢献していきたい」、と力強く抱負を語った。
また、本年6月6日付けでGCPF(世界植物保護連盟)はCrop Lifeに名称変更するが、「Crop Lifeへの日本側の対応は」の記者団の質問に対して、「バイオテクノロジーには、(日本の)農薬工業会は参加しない」ことを明言している。農薬とバイテクの概念は明らかに異なり、概念の定着の可能性を憂慮したもの。混同することはできず、賢明な判断と思われる。
なお、最近の会員異動を整理しておくと、三明ケミカル(株)が資格変更で賛助会員に、ビーエーエスエフ ジャパン(株)が正会員を脱会、三洋貿易(株)、住友商事(株)、正華産業(株)が賛助会員を脱会、石原バイオサイエンス(株)が資格変更で賛助会員に、小西安農業資材(株)、日産丸紅商事(株)が賛助会員に入会している。これにより現会員数は、正会員60社、賛助会員27社、とそれぞれなっている。
【新会長・副会長の略歴】
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山本佳彦(やまもと よしひこ)
昭和12年1月8日生まれ
早稲田大学政経学部卒
▽昭和34年4月(株)大和銀行入行
▽同62年6月同行取締役東京業務部長
▽同63年5月同行取締役業務部長
▽平成元年6月同行常務取締役業務部長
▽同2年2月北興化学工業(株)専務取締役
▽同4年2月同代表取締役社長(現任)
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藤本修一郎(ふじもと のぶいちろう)
昭和14年9月20日生まれ
九州大学法学部卒
▽昭和37年4月日産化学工業(株)入社
平成2年6月経営企画部長
▽同3年6月取締役・経営企画部長
▽同5年6月同・化学品部長
▽同6年6月同・化学品機能製品事業部長
▽同7年6月常務取締役・化学品機能製品事業部長
▽同11年6月代表取締役副社長・化学品機能製品事業部長
▽同12年6月代表取締役社長(現任)
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井上克信(いのうえ かつのぶ)
昭和15年10月20日生まれ
早稲田大学商学部卒
▽昭和41年4月日本曹達(株)入社
▽同62年4月農医薬本部農薬部長
▽平成5年4月農薬本部副本部長
▽同5年6月取締役農薬本部副本部長
▽同7年4月同農業化学品本部副本部長
▽同7年6月同農業化学品本部長
▽同11年6月常務取締役農業化学品事業部長
▽同13年4月農業化学品事業部長を解く(現任)
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