農薬工業会(山本佳彦会長)は6月12日、『平成13年4月度農薬出荷概況』を公表した。
本年の減反は、約4万7,000ヘクタールの強化が見込まれているが、「このマイナス要因のなかで、ほぼ前年並みの数値で推移している」(農薬工業会)としている。カメムシを中心とした病害虫の発生動向をにらみながら、当用の需要が期待されている。
農薬工業会の公表によると、4月度累計では出荷数量18万1,000トン(前年比6,000トン減、96.8%)、出荷金額2,442億円(同28億円減、98.9%)で数量でやや、金額ではわずかに減少した。
平成9年度からの5カ年の年次推移(表1)を見ると、平成10年の減反強化以降、数量では減少傾向が続いているが、金額ではほぼ横這い傾向で推移している。特に、数量の減少は水稲での1キロ剤、フロアブル剤などによる軽量化及び箱処理用混合剤の普及などが大きく影響している。
また、使用分野別(表2)に見ると、その他の金額が前年並み(100.1%)のほかは、水稲99.1%、果樹98.0%、野菜98.7%、分類ナシ99.2%と全て減少した。
さらに、種別(表3)では、混合剤が横這い(100.6%)の他は全て減少し、なかでも殺菌剤の減少(96.9%)の減少が大きい。
なお、前年を大きく越えている項目は、水稲の混合剤イモチモンガレ虫(10億円増、126.3%)、中期除草剤(10億円増、129.5%)、反面、前年を大きく下回っている項目は、水稲殺菌剤イモチ(15億円減、80.0%)と、それぞれなっている。