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アグリビジネス業界ニュース

農薬事業関連で株式51%を取得
菱商の新社名は「ディー・エー・エス菱商(株)」

― ダウ・ケミカル日本 ―

 ダウ・ケミカル日本(株)(本多助重社長、本社:東京都品川区)は7月2日、アグリード(株)の残り株式20%を三洋貿易(株)より取得したと発表した。これにより、2001年6月29日をもって、アグリード(株)はダウ・ケミカル日本(株)の100%子会社となった。
 アグリード(株)は1997年4月、ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)と三洋貿易(株)の農薬事業部門が統合し合弁会社として設立され、農業用薬品の殺菌剤ジマンダイセン(有効成分=マンゼブ)、殺ダニ剤のケルセン(同=ケルセン)及び殺虫剤のロムダン(同=テブフェノジド)などの販売活動を精力的に行ってきた。主力品の殺菌剤ジマンダイセンは、野菜、果樹、花類などの広範囲な病害に優れた防除効果を示すことから好評を博している。後発品の追随を許さず、この分野の有力剤に成長している。
 また、ダウ・ケミカル日本(株)は、ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)と三洋貿易(株)のもう一つの合弁会社であった、非農耕地分野の販売会社アルファス(株)(2000年8月設立)の残り株式15%も、2001年8月末までに三洋貿易(株)より取得することを決定している。
 これら一連の株式取得は、ダウ・ケミカル日本(株)の親会社であるザ・ダウ・ケミカル・カンパニーの農薬事業子会社ダウ・アグロサイエンスが、2001年6月1日、米ローム・アンド・ハース社の全世界の農業化学品部門を買収したことに伴うもの。
 ダウ・ケミカル日本(株)は、当買収時に、ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)よりアグリード社の株式80%及びアルファス社の株式85%を取得している。
記者会見
ダウは2000年10月12日の記者会見で菱商農材(株)への資本参加を発表。
 なお、ダウ・ケミカル日本(株)が現在39・4%の株式を保有している菱商農材(株)については、2001年9月に新規株式を発行して51%まで株式の追加取得を行い、社名を「ディー・エー・エス菱商(株)」(仮称)と改める予定(10月1日)。内田敬一郎社長は続投する。
スティーブンタトル氏
 
内田敬一郎氏
 これらの周辺について、ダウ・ケミカル日本(株)農薬事業部門担当副社長のスティーブン・タトル氏は、「この一連の株式取得により、我々の農業用製品事業の基盤がさらに強化される。顧客へより拡充したサービスが提供できるようになる」と語っている。
 この株式追加取得後、アグリード(株)、アルファス(株)、ディー・エー・エス菱商(株)(仮称)、及びダウ・ケミカル日本(株)農薬事業部門の総売上高は、年間約210億円に達する模様。
 【参考】
 [ダウ・アグロサイエンス] ダウ・アグロサイエンスは、ダウ・ケミカル日本(株)の農薬事業部門として、日本で積極的に事業展開を図っている。
 [アグリード(株)] 本社:東京都港区、社長:冨樫明裕、2000年度売上高:約60億円、事業活動:農業用薬品などの販売、従業員:52人
 [アルファス(株)] 本社:東京都千代田区、社長:浅野長義、事業活動:非農耕地用農薬及び肥料などの販売、従業員:9人、設立:2000年8月
 [菱商農材(株)] 本社:東京都台東区、社長:内田敬一郎、2000年度売上高:約75億円、事業活動:農薬及び農業用資材などの販売、従業員:80名、設立:1970年1月。2001年9月に7万株の増資を行い、この内、三菱商事(株)が1万5,000株を、ダウ・ケミカル日本(株)が5万5,000株を引き受ける予定。この増資により、現在の資本金が1億8,000万円から3億2,000万円に増加する。
 2001年9月以降の株主構成予定:三菱商事(株)34%、大日本インキ化学工業(株)11%、三菱化学(株)4%、ダウ・ケミカル日本(株)51%


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