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アグリビジネス業界ニュース

肥料事業の体質改善へ
統合で創業時の原点復帰目指す

― 日産化学工業 ―

 本紙既報の通り、日産化学工業(株)(藤本修一郎社長、本社:東京都千代田区)農業化学品事業部(農薬・肥料)の新体制がこのほどスタートした。今秋を目処とした肥料部門の日産丸紅商事(株)への統合は、創業時の原点復帰を目指している。
去る5月22日に発表された肥料事業の再編は、生産子会社(北海道日産(株)、関西日産(株))を含む同社の肥料部門を、丸紅(株)他との合弁会社である日産丸紅商事(株)に統合し、10月を目処に製造、販売を一体化することで競争力ある事業体を再構築するもの。
 日産丸紅商事(株)(本社:東京都千代田区、資本金:3億円)の資本構成は、丸紅(株)49%、日産化学工業(株)30%、他21%となっている。新会社の資本構成は変化するが、トップ人事については、既に6月21日、高橋荘二代表取締役社長が決定している。
 日産化学工業(株)の肥料事業は、販売面では、商系ルート(卸商向け)は日産丸紅商事(株)が、また、系統ルート(JA全農、経済連向け)は同社が、それぞれ担っている。一方、生産は、同社の富山工場及び生産子会社2社で行っている。
 今後の肥料事業環境は、減反政策の強化、輸入野菜の増加等により需要の漸減傾向が続き、また、安い製品輸入等も広まっていることから競合が激化し、流通の再編も進展することで、ますます激しい競争の時代を迎えるものと見られている。
 この様な背景下、同社ではこの分野で競争力を保持していくには、真に生産と販売が一体化した事業形態での効率化の追求と、市場のニーズや変化に対応した新商材の開発や販売戦略の構築などの諸施策を強力に実施していくことが不可欠であると判断した。
 もともと、日産化学工業(株)の肥料事業は、生産と技術、販売が一体化した中で生産農家との結びつきも強く、「業界をリードするご意見番的な存在」(業界評)であった。しかし、最近の傾向としては、生産部門と販売店との乖離が目立ち、同社が本来的に所有するパワーを発揮できていない。
 今回の再編は、「競争力強化を伴う体質改善」に有る。真に生産と販売が一体化した事業形態での効率化の追求と、農家ニーズに対応できる「新商材の開発」や「技術指導」こそが販売戦略に不可欠との判断から、同社創業時の原点復帰を図ることで、本来的なパワーの回復を目指す。
 【日産化学工業(株)農業化学品事業部人事(農薬肥料)】
 ▽常務取締役事業部長=猪飼隆(昇任)▽取締役副事業部長兼企画開発部長=伊藤忠▽取締役副事業部長兼海外部長=片柳茂(新任)▽理事肥料部長=大船喜八郎▽理事営業統括部長=小杉明(新任)▽企画管理部長=水谷英美▽登録部長=五十嵐丕▽東京営業部長=玉城市房▽札幌支店長=上村俊夫▽仙台支店長=藤井常宏▽名古屋支店農業化学品部長=長谷川勝俊▽大阪支店農業化学品部長=佐々木康晴▽福岡支店長=落合好則
 なお、前理事営業統括部長の手塚泰三は日星サービス(株)社長に、理事東京営業部長兼仙台支店長の高橋則忠は理事大阪支店長兼名古屋支店長に、理事大阪支店次長兼農業化学品部長の前田正弘は理事農業化学品事業部長付に、それぞれ就任した。


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