【スイス・バーゼル 7月24日】 シンジェンタは7月24日、伝統を誇る農薬会社 トモノアグリカを買収することに基本的に合意したと発表した。
契約によると、シンジェンタがトモノアグリカの株式をさらに50%取得し、株式保有を100%にするもので、取引は8月末に完了する予定。
本取引は、世界第2の農薬市場である日本におけるシンジェンタのビジネスにとって、極めて重要な進展と見られる。これによりシンジェンタは、日本において自社製品のマーケティングを完全に掌握し、より農家への接近を可能とした。
これらの周辺について、シンジェンタCEO(最高経営責任者)のマイケル・プラグネル氏は、「日本の有力な企業との長年の協力体制が、今回の統合により完結した。これにより、シンジェンタは顧客の皆様の真のパートナーとなることができた」、と語っている。
また、今回の買収は、「シンジェンタの成長戦略の一環であり、シンジェンタが日本を重視している証左」との同社のコメントも。
トモノアグリカの前身である伴野商店は、1912年(大正元年)に伴野銀太郎により創業された。薬種問屋「市川屋」での丁稚奉公の経験は、「信用は無限の宝」の信条として結実し、この精神は今日のトモノアグリカに脈々と生きている。この精神が新生シンジェンタにおいても、その動脈となることを願って止まない。
その後の沿革を見ると、1931年(昭和6年)伴野農薬製造所、1948年(昭和23年)(株)伴野農薬製造所、1962年(昭和37年)トモノ農薬(株)、そして現在の(株)トモノアグリカとなったのは1993年(平成5年)10月1日である。歴代社長は伴野銀太郎、伴野広、伴野久雄、伴野隆一郎の順。
トモノアグリカの現在の年間売上高は、約1億500万ドル(約130億円)、約170人の社員が主要な3事業所に勤務している。
なお、シンジェンタとトモノアグリカの総売上高は、約2億5,000万ドル(約312億円)、日本の農薬市場の約10%を占めている。
シンジェンタは、世界のアグリビジネスのリーディングカンパニー。農薬分野では世界第1位、高付加価値種子分野では世界第3位にランキングされている。2000年度の試算売上高は約69億ドル(約7,370億円)、世界50カ国以上で事業を展開し、2万人を超える従業員を擁している。世界でのシンジェンタの設立は、2000年11月13日であった。