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アグリビジネス業界ニュース |
直販比率を75%まで拡大 卸との関係構築は10月上旬 ― シンジェンタ ジャパン ― |
ノバルティス アグロとアストラゼネカのアグロケミカルズが合併し、世界のシンジェンタが設立されたのは2000年11月13日。シンジェンタ ジャパン(株)は、これを受けノバルティス アグロ(株)とゼネカ(株)の統合作業が精力的に進められ、この7月1日に発進していた。
同社では、2004年を目処に約370億円(現在は約300億円)の売上高を目指すが、その骨子には「農耕地及びゴルフ場関連での市場シェアの拡大」、「国内事業の質的改善の実施」、「顧客サービスの向上」を挙げている。 「市場シェアの拡大」では、農耕地において技術サポート並びに顧客サービスグループを擁した大規模な販売部隊(107名)を、またゴルフ場関連では20人程度の市場指向チームを、それぞれ編成する。加えて、「質的改善」では直販の強化を挙げ、現在の直販比率を60%から2004年には75%に拡大していく。さらに、「顧客サービス」では革新的技術による市場の開発を強調している。 特に、営業組織を見ると直販営業部の人員は76名(系統32名、商系33名等)からなり、札幌、仙台、東京、静岡、大阪、福岡の6カ所の事務所、サテライトオフィス16、駐在6、の構成としている。卸との関係は10月上旬までの構築となるが、これまでのビジネス貢献、地域市場浸透度等が検討基準となっている。 なお、(株)トモノアグリカは8月末をもってシンジェンタ ジャパン(株)の完全子会社となり、10月1日からは自社品及び導入品の販売、島田工場と子会社の管理等に事業を特化していく。同社の社員数は、75名程度となる模様であり、営業を中心に多くはシンジェンタに移籍する。 記者会見席上、伴野隆一郎社長は、「当社は技術中心の会社だが、農業・農薬をめぐる世界情勢を見ると、(将来的に)5〜10社の農薬メーカーしか生き残れないとの判断から今回の結論となった」としている。「こんなことは初めから分かっていたこと」と業界は見るかも知れないが、間もなく業界は「生きていることさえも大変なこと」を気付くことになる。 |