米をBG無洗米加工する時にできる、有効資源副産物「米の精」は、稲作の肥料として高く評価されてきているが、それを梅樹に施肥し、和歌山県南部地域に広がり問題となっている「梅樹の衰弱(梅枯れ)」防止に活用しようと、同地域の梅生産農家23人が施肥公開実験に取り組んでいる。
昨年8月25日、紀州南部ロイヤルホテルにおいて、梅、梅干しの生産農家・加工業者・流通業者・JA・地方行政担当者・消費者と報道関係者等130名余を集め、この実験の趣旨を説明した。
その時に次の4項を公約した。
1.「米の精」を利用して、梅樹の生育結果を実験する。但し実験の方式は限定しない。
2.実験用の「米の精」は全てトーヨーが負担する。
3.実験の全てを公開する。
4.期間は3年を目途とし、1年毎に中間報告を地元マスコミを通して行う。
1年目の中間報告では、「樹勢が強くなった」「葉が大きく、色も濃くなった」「枯れ始めの樹が回復傾向にある」等の意見が多かった。梅枯れに効果があるということだ。
昨年8月の実験当初は13農家、78本の梅樹でスタートしたが、現在では23農家が151本の梅樹で実験に取り組んでいる。実験樹の9割が南高梅で、樹齢は平均16年。施肥方法は木片混合のコンテナ堆肥、モミガラのボカシ、「米の精」だけと様々だ。
全国一の梅産地として知られる南部川村を中心としたこの地域にとって、より高品質の梅を生産することは、至上課題であるだろう。地元和歌山で開発されたBG無洗米、その有効副産物「米の精」が全国一の和歌山・南部南高梅の生産に大きく寄与することになれば、素晴らしいことだ。2年後、3年後の報告に期待したい。
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昨年の梅樹の状態 |
枝の勢い、バイ(今年の新枝)も
太く大きくなっている
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