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ジャック・デュピュイ社長
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作物保護会社のアベンティス クロップサイエンス社(フランス・リヨン)と大手製薬会社の塩野義製薬(株)はこのほど、新会社設立で最終合意に達し、10月1日から「アベンティス クロップサイエンス シオノギ(株)」として営業を開始する。
新会社設立までの経過を見ると、本年5月28日の基本合意書調印から、わずか4カ月というショートな準備期間で、新農薬年度に合わせて新会社の発足にこぎつけたことの意味は大きく、両社首脳陣及び関係者の努力に敬服せざるを得ないところ。
但し、合弁会社設立については数年前から水面下で交渉が行われていたことも事実。農薬需要の減少傾向の中で、生き残り戦略を模索していた塩野義製薬(株)と国内販売力を強化したいアベンティス クロップサイエンス社の思惑が一致したもので、他の医薬メーカーで農薬事業に進出しているメーカーに与える影響は大きい。
新会社の社長にはジャック・デュピュイ氏(現アベンティス クロップサイエンス ジャパン(株)取締役)が就任。資本金は19億7000万円で、アベンティスクロップサイエンス社66%、塩野義製薬(株)34%の出資比率。年商は280億円が見込まれており、従業員202名体制(シオノギ71名)でのぞむ。
業務執行体制を見ると、木原圀夫専務取締役マーケティング部長、山中一寛執行役員マーケティング部部長、小澤江取締役営業部長、金丸賢二執行役員営業部部長など両社の整合性を保ったものと見られる。また、各営業所の拠点確保もスムーズに行われた。
なお、本紙の取材によると、10月11日〜12日には全社員を集めた「キックオフ」ミーティングが箱根プリンスホテルで、また10月31日には農薬卸、関係メーカーなどを招待したセミナー及び懇親会が帝国ホテルで、それぞれ行われる模様。