最近急激な増加を見せているBG無洗米だが、その需要増に対応するために製造工場の拡充も急ピッチで進められている。米生産地である東北地区に(株)大潟村カントリーエレベータ公社(秋田県大潟村)がBG無洗米工場を新設、これまでBG無洗米工場がなかった静岡県では、(株)遠州米穀(静岡県磐田市)が新設した。
また、ナカリ(株)(宮城県加美郡)では同製造ラインを1ライン増設し、それぞれ稼働を開始した。
1.(株)大潟村カントリーエレベーター公社
大潟村カントリーエレベーター公社は、1トン/時間が1ラインで9月末より稼働を開始している。大潟村は、昭和42年から大規模稲作営農を開始した国のモデル農村である。
水稲では、栽培規模や恵まれた生産環境に加え、専業農家として常に新しい手法を取り入れ、「JAS有機米」や「減農薬減化学肥料栽培米」をはじめとする日本農業の最先端技術を駆使している。
そうした農業環境下にある同公社が新たにBG無洗米製造設備を導入する意義は、大きなものがある。
大潟村の広大な大地で育まれた「安全で美味しいお米」が、さらに無公害なBG製法により無洗米化され、消費者に産地直送米として提供することは、新しい米流通のスタイルとして業界でも注目されている。
2.(株)遠州米穀
遠州米穀は、静岡県下を中心に堅実な経営を続けている中堅卸。今年創業50周年を迎え、何か地元に貢献できる商品はないかと模索していたところ、環境に貢献できるBG無洗米が最適であると判断し、この度の導入に至ったもの。
静岡県において初めてのBG無洗米工場となる。設備規模は1トン/時間が1ラインで9月末より稼働を開始している。月間の製造販売目標は300トンだが、付帯設備及びBG室は既に2トン仕様を導入しており、近い将来にはBG無洗米設備を増設し600トンを目指す。静岡県ではすでに無洗米の認知度は非常に高く、その為BG米が急速に県下に普及することが予想される。
3.ナカリ(株)
ナカリは、既に1トン/時間ラインを平成11年に導入し稼働していたが、現状の設備では昨今の需要増に対応しきれなくなり、1トンラインの増設を進めていたもので、これも8月中旬より稼働している。
同社は主食用・加工用など豊富な品揃えで、東北地区、首都圏をはじめ全国各地へ販売ルートを広げているが、BG米導入による顧客層拡大が功を奏し、この度の増設になったもので、一層のシェア拡大を目指す。
これらの工場の稼働により、全国でのBG無洗米工場は41工場となった。BG無洗米の需要増はさらに加速していくものと思われる。