(株)エス・ディー・エス バイオテック(白井孝社長)はこのほど、非スルホニルウレア型(非SU型)の水稲用初期一発除草剤『スマートフロアブル』について、来る12月4日より市場展開に入ることを明らかにした。除草剤抵抗性雑草に対しても卓越した効果を示す。
本剤は、日本バイエルアグロケム(株)が開発したノビエをはじめ水田一年生雑草に高い効果を示し、残効性に優れる新規ヒエ剤フェントラザミドと(株)エス・ディー・エス バイオテックが新規に開発したホタルイ及びアゼナ類、コナギ等の広範囲の広葉、カヤツリグサ科雑草に高い効果と長期持続性を示すベンゾビシクロン、さらにアベンティス クロップサイエンス シオノギ(株)で開発された広葉雑草に卓効を示すベンゾフェナップの3有効成分を合理的に配合したフロアブル剤で、水田の一年生雑草から多年生雑草までほとんどの水田雑草を確実に除草する。
特長の詳細を見ていくと、先ずノビエをはじめとする水田一年生雑草からホタルイ、ウリカワ、ミズガヤツリ等の多年生雑草まで、広範囲の水田雑草に高い効果を示す。加えて、スルホニルウレア系除草剤に感受性の低下したホタルイ、アゼナ類、コナギ、ミズアオイ等にも高い除草効果を発揮する初期一発処理除草剤
として位置付けられる。
また、ノビエの発生前から2葉期までの散布で各種雑草に安定した効果を発揮するため、田植え後ゆとりを持って散布できること、各種の水田雑草に対し50日程度の抑草効果が期待できるため、田植え後1回の散布で長期間、雑草の発生を抑制することが魅力となっている。
さらに、各有効成分とも移植水稲と各種雑草との間に選択性が高く、移植後早い時期の散布でも移植水稲に対する影響はほとんどないため安心して使用できること、人畜・魚介類に対する安全性が高く、土壌残留の心配もなく、後作物に対する影響が認められていない、などが特長として挙げられる。
今後の適用拡大登録としては、ノビエ2.5葉期処理(初・中期一発処理剤)への拡大、エゾノサヤヌカグサ、シズイなどの拡大、砂壌土までの拡大、水口処理の拡大、関東・東山・東海・近畿・中国・四国の早期栽培への拡大が近々に実現する模様。
『スマートフロアブル』の取り扱いは、クミアイ化学工業(株)と日本バイエルアグロケム(株)となっている。(株)エス・ディー・エス バイオテックでは、初年度の普及展開において「正しい使用方法の定着に精力を傾ける」(戦略企画室)としており、剤型の拡大及び適用拡大後には10万ヘクタールの普及面積を目指している。
この分野の戦略にはスピードが要求されるが、「除草剤抵抗性雑草が問題視されている北海道、東北で普及が先行する」というのが本紙の見解。また、取り扱い会社の戦略にもよるがジャンボ剤への展開の可能性もある。
<本件に対する問い合わせ先>
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