| |||
アグリビジネス業界ニュース |
減少傾向に歯止め掛からず平成13農薬年度出荷概況 ―農薬工業会― |
農薬工業会(山本佳彦会長、84会員)は11月15日、東京都中央区の日本橋倶楽部会館において記者会見を行い、『平成13農薬年度出荷概況』(年度末実績)を発表した。 『平成13農薬年度出荷概況』について、先ず使用分野別に見ると果樹(100.9%)、分類なし(103.3%)の金額が前年を上回ったほかはすべて減少した(表1)。また、種別では植調剤(103.3%)の金額が増加したほかは、全て減少した。殺菌剤、混合剤の数量の落ち込みは水稲での減少が大きく影響した(表2、円グラフ)。さらに、剤型別動向では数量(108.3%)、金額(106.1%)ともゾル・フロアブル剤がかなり増加し、次いでその他剤(数量100.6%、金額105.1%)も増加したが、それ以外の剤型はすべて減少した(表3)。 次に、平成9年度を基準(100%)として過去5年間の推移を見ると、数量では全体として減少傾向で推移している。特に水稲の落ち込みが大きいが、これは1キロ剤、フロアブル剤、ジャンボ剤等による軽量化、箱処理剤等の普及拡大、減反の強化、防除回数の減などが背景にある(表4)。また、金額では野菜畑作及び分類なしは横這いで推移しているものの、全体としては過去5カ年間減少傾向が続いている。これはその他及び水稲の減少が影響している(表5)。
本年度の特徴を総括すると、先ず春先から高温、少雨のため水稲の斑点米カメムシ類、果樹のカメムシ類、野菜・花卉のハスモンヨトウ等害虫の発生が顕著であった。また、箱処理剤の普及率は高まったものの、実処理面積は前年を下回った他、単剤から混合剤へ、2種混合剤から3種混合剤への移行が一層進んだ。さらに、水稲一発処理除草剤ではフロアブル剤、1キロ剤、ジャンボ剤等が伸長し、軽量化が進展している。その他、水稲除草剤が数量で前年並み、金額で前年を上回った。特に数量、金額ともに中期剤が伸長している。 |