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アグリビジネス業界ニュース

水稲育苗で初の微生物農薬
近畿中国四国農研と共同開発
―セントラル硝子―

モミゲンキ水和剤の細菌病防除のしくみ
混用可能な種子消毒剤

 セントラル硝子(株)は、12月上旬より微生物イネ種子細菌病防除剤『モミゲンキ水和剤』を市場投入する。独立行政法人農業技術研究機構・近畿中国四国農業研究センターと共同開発したもので、この分野では業界初。10月22日付けで農薬登録を取得した。

 作用機作は、種子を『モミゲンキ水和剤』(有効成分:シュードモナス属細菌 CABー02株)で処理すると、イネ細菌病よりも先に種籾上の栄養分を食べてしまうために、細菌は栄養分を得ることが出来なくなり、増殖を抑制・遮断する。結果的に病原菌を種籾上で増やさないことから、種子伝染性の水稲病害を防除する。

 本剤の横顔を見ると、先ずイネ種子のもみ枯細菌病、苗立枯細菌病に対する業界初の微生物防除剤に位置付けられる。また、従来の種子消毒剤と異なる防除メカニズムで、高い防除効果を発揮するほか、有効成分が微生物であるため、本剤に対する耐性菌が発生しないこと、環境に対する負荷が少ない環境保全型の防除剤であること、さらに、薬害の心配がないため浸種前の浸漬処理から催芽時、播種後の覆土処理まで、作業の都合に合わせて何時の時期でも使用できる、等の魅力が挙げられる。

 セントラル硝子(株)では、既にアリスタライフサイエンス(株)、日産化学工業(株)と「モミゲンキ普及会」を立ち上げ、技術を中心とした積極的な普及展開に入っていくが、耐性菌の問題や農薬廃液処理問題がクローズアップされており、さらに「新JAS法」に対応する等の背景からも、本剤に寄せる期待は大きい。


適用病害と使用方法

 


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