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アグリビジネス業界ニュース
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食料自給率向上に業界あげて取り組む BSEでは農家への重大な影響を憂慮 ―日本化成肥料協会― |
日本化成肥料協会(市川淳会長)は1月8日、東京都中央区日本橋の三井本館「キャニー」において『新年賀詞交歓会』を開催し、食料自給率の向上に対して肥料業界あげて取り組むことを再確認したほか、BSE問題では消費者農家への重大な影響を憂慮しているとの認識を示した。 これまで、化成協の『新年賀詞交歓会』は同協会会議室で行われていたが、手狭であったことから本年より三井本館での開催に変更となった。会場には経済産業省、農林水産省、JA全農、元売商社、関係企業など例年を超える多数が参集し、諸課題を吹き飛ばす勢いを見せた。 席上、市川会長は米国同時多発テロ、中東問題及びインド・パキスタン紛争等の世界情勢に触れるなか、「国内では、1990年代の失われた10年のツケで再生への構造改革が進められ、本年もこの傾向が続くだろう」としたほか、農業面では「担い手の高齢化、輸入農産物の増加等の構造問題による肥料業界への影響を懸念」した。 肥料業界は、止まらない国内農産物の生産減少傾向のなかで、毎年数%づつの生産ダウンを余儀なくされているが、食料自給率の向上では「農産物の自給問題は国民的総意を集めて対応する必要があり、肥料業界としてもこれ等と一体となって取り組んで行かなくてはならない」とし、総論から各論への展開が重要だとした。 さらに、昨年からのBSE(牛海綿状脳症)問題も肥料業界への影響は大きく、先の見えない状況となってきている。これについては、「春肥需要期に入れば供給問題も含めて消費者農家にとっても重大な影響が憂慮される」、との認識を示した。 一方、来賓として出席した本庄孝志経済産業省化学課長は、「各業界の構造改革が進んでいるが、特に2002年は失われた10年を踏まえ構造改革とともに発展の年とするために前向きに対応していきたい」としたほか、「今年後半の米国経済の持ち直しムードにも期待している」と結んだ。 また、吉田岳志農林水産省生産資材課長は、BSE問題に触れ「第3回対策委員会の討議を踏まえ、近く国内の蒸製骨粉類については解除の方針で進んでいる。しかし輸入品の解除については、消費者の意向を最大限に配慮していく立場から早急な解除には踏み切れない」とし、今後も業界に協力をお願いすることになると挨拶した。
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