シンジェンタ(スイス・バーゼル)は2月28日、『2001年通年業績』を発表した。
それによると、売上高63億2300万ドル(7626億円)、EBITDA11億2700万ドル(1359億円)、税引き前利益3億8800万ドル(468億円)、純利益2億2300万ドル(269億円)、純利益(国定)3400万ドル(41億円)となった。合併による1億6500万ドルの経費削減が、売上高の減少を相殺している。
このうち農薬部門は、売上高53億8500万ドル(6494億円)で5%の減少となった。同社は、世界のほとんどの地域で市場におけるポジションを維持したが、ラテンアメリカ、特にアルゼンチンでは意図的に売上げを抑え、除草剤と殺虫剤が低迷した。
合併による統合作業は早期に完了し、活動拠点は製品ポートフォリオの管理に移行している。合理化は順調に進み、12の有効成分をフェーズアウトまたは売却した。製品ミックスの改善、古い製品のフェーズアウト、売上原価の削減により、1%の価格下落にもかかわらず、粗利益率が向上した。さらに、有効成分を76に絞り込むプランも順調に進展している。
製品の動きを見ると、トウモロコシ用除草剤「デュアール/バイセットマグナム」が堅調に推移し、ハイパフォーマンスで使い易い非選択性除草剤「タッチダウンIQ」の上市も成功を収めている。また、チアメトキサム殺虫剤系の新しい種子処理剤「クルーザー」は、米国での上市を終え需要が順調に伸びた。2001年1月に特許係争の解決が発表され、この画期的な殺虫剤成分を引き続き世界的に展開していくことが可能となった。加えて、2001年の殺虫剤市場は低調だったが、ストロビルリン系殺菌剤「アミスター」の売上げが増加した。
さらに、同社は「カリスト」の登録と2つの新規選択性除草剤「アピロ」、「KRISMAT」により、この分野における市場のリーダーシップを維持できるとしているほか、同様に新しい穀物用ストロビルリン系殺菌剤「アカント」が登録され、いっそい強固なポートフォリオに持っていけるとしている。
一方、種子部門の売上高は9億3800万ドル(1131億円)と2%増加した。利益率の高い野菜種子において、特に目覚ましい成長を遂げている。2000年に行った再編成と、引き続き行われた経費削減により、高い利益率を維持した。
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