業界内では抜群の知名度を持っていても、一般的には余り知られていない企業がある。包装機、製袋機、産業用ミシンの分野では国内トップのシェアを誇り、世界的にも屈指のメーカーであるニューロング(株)がそうである。
ニューロング(株)の前身は、昭和16年に特殊工業用ミシンの販売・修理を目的として創立された。
ニューロング(株)(近藤恭弘会長)では現在、▽印刷関連エンジニアリング、▽紙・ポリ・加工関連エンジニアリング、▽製袋関連エンジニアリング、▽包装関連エンジニアリング、の4つのエンジニアリング・ユニットと、生産・販売・サービスネットワーク、グローバルネットワーク、研究開発・品質管理・社会貢献ネットワークの3つのネットワークを有し、21世紀の国際的なユーザーのニーズに対応できる体制を取っている。
こうした組織体制の整備と相俟って、同社は特殊工業用ミシン・製袋機で90%以上、自動包装機の分野では86%という圧倒的な国内シェアを持っている。同社では、千葉県柏にあるニューロング宏和(株)の工場敷地内で拡張工事をして、実験設備を増設、今春竣工した。この実験設備は永年の研究開発構想の集大成ともいえるものだ。
新たな実験設備とは、新世紀の完全自動包装循環システム(包装循環システム21)であり、3シフト24時間稼働状況も再現できる。ユーザーの工場の実際の状態を再現し、袋内容物(ユーザー製品)、袋、同社自動包装機、ヒートシーラー、袋口縫いミシン頭部の稼働データーを取るための実験ラインであり、終日自動運転できる。
業界で、こうした実験設備を持っているのはニューロング(株)だけであり、このような基礎的な研究や地道な努力があるからこそ、自動包装機の分野で86%という高い市場占有率を維持できる。
産業用機械は特注がほとんどで、スタンダードが無いが、ニューロング(株)のトータルなプラント力は、ユーザーの多様なニーズに対応して余りある。顧客に喜ばれる優れた産業用機械を提供し続ける限り、更なる躍進のステージに立つ企業だといえるだろう。
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