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店頭に掲示された10桁の確認番号
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スーパーマーケット・ジャスコを全国展開するイオン(株)は、国内産牛肉の生産履歴情報を公開する端末「お肉の安心確認システム」を、5月31日から全国28店舗の国内産牛肉対面販売コーナーに順次導入することにし、説明会を5月27日にジャスコ南砂店(東京都江戸川区)で開いた。
このシステムは、農水省の補助事業「安心・安全情報提供高度化事業」としてJA全農が実施主体となり、2月21日からジャスコ大和鶴間店の国内産牛肉対面販売コーナーで実証試験が行われていたもの。
対面販売コーナーには、その日販売されている国内産牛肉の「確認問い合わせ番号」が掲示され、この番号を同システム端末から入力すると、食肉衛生検査所が発行するBSEの「検査結果通知書」と、生産者が記入しJAがその内容を確認した「出荷牛履歴証明書」が表示され、その内容をプリントアウトできる仕組みになっている。
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確認番号を入力すると生産履歴と
BSE検査結果を確認できる
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「確認問い合わせ番号」は、牛の個体番号、枝肉番号、生産者番号で構成される10桁。現在は、食肉センターごとにつけられているが、農水省が進めている耳標装着が完了した段階で、この耳標番号を採用することになっている。
表示される内容は、「検査結果通知書」では、と畜日・品種・性別・産地・生産者・枝番とBSE検査結果が、「出荷牛履歴証明書」では、出荷日・と畜日・出荷先・出荷者・品種・性別・生年月日・導入月日・子牛導入市場名・給与した飼料・休薬期間の遵守など、となっている。イオンではこのほかに、生産者から飼料内容の詳細なデータが提出されているが、この端末では公開せず、必要に応じて情報開示する。
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端末を操作し、生産履歴をプリントアウトし
記者団と会見する武部農水相
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イオンでは週に400〜500頭分の国内産牛肉を仕入れているが、そのすべてにこの3つのデータが添付されており、膨大な量となるため、紙でのやりとりからインターネットで生産者・食肉センターと結び、これらのデータをデータベース化していく意向だ。また、現在は、店頭端末だけで確認する仕組みになっているが、今年中にはホームページ上で確認できるようにするための、システム開発にも取組んでいる。さらに、対面販売だけではなくパッケージされている肉についても確認番号を記載し、すべての牛肉について対応できるようにしていきたいとしている。
大和鶴間店での実証試験では「お客様はここまでの細かいデータは必要としていませんが、ここまでやっていることが評価」されたという。
この日、視察に訪れた武部農水相は端末を操作した後、「消費者は、食卓から農場への顔の見える関係を求めており、(このシステムは)消費者と生産者の対話のパイプ役になる」と語った。
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