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アグリビジネス業界ニュース

バイエル社 アベンティス社の買収完了
――製品の売却などは800億円に


 バイエル社の農薬部門とアベンティス クロップサイエンス社(ACS)の統合による新会社「バイエル クロップサイエンス社」は6月4日、農薬、バイオテクノロジー及び種子事業におけるポールポジションを確保し業務を開始した。
 4月の欧州委員会での買収承認、5月30日の米国連邦取引委員会(FTC)における承認を受けたもので、買収額は72億5000万ユーロ(約8300億円)におよび、バイエル社史上最大の買収規模となった。
 バイエル クロップサイエンス社は、5つの機能別組織と欧州、NAFTA、南米、北東アジア及びインターナショナルの5つの市場地域を通して運営される。事業内容は、これまでの植物防疫に、生活環境保護(業務用害虫防除を含む)及びバイオサイエンスの独立した2つの事業部門を加えた。
 新会社の競争優位性は、2つの独立した事業部門に加え、市場全体を網羅するバランスのとれた高性能商品群、殺虫剤1位、除草剤3位、殺菌剤2位といった農薬分野での高いシェア、強固な地域的基盤に見られる。
 FTCの承認は、米国で販売されている数種の製品の売却またはライセンスアウトという条件付きとなった。まず、殺虫剤「フィプロニル」の条件は、欧州委員会の条件とほぼ同じであり、農業用「フィプロニル」のグローバル事業は売却となる。ただし、バイエル社は欧州以外の地域においては同製品の非農業分野でのライセンスを受けることが可能だ。
 また、「アセタミプリド」に関しては、欧州委員会と同様にFTCも欧州・北米での売却を要求している。その他、小麦用除草剤「エベレスト」も売却となるほか、これまでACSが販売していたバイエル社の綿花用落葉剤「フォレックス」も第三者の販売となる。
 売却及びライセンスアウトの条件は、合計6億5000万〜7億ユーロ(約750〜800億円)の売上げに相当するものと見られているが、「主力製品はBASF社を中心に回転するのではないか」と業界では見ている。
 これで、世界での企業統合・再編はほぼ固まり、今後は日本で嵐が吹き荒れることになるだろう。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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