9月に合併から2年を迎える米の大手卸、木徳神糧(株)はこのほど2002年9月中間期(3月末)の業績を公表した。
2002年3月の連結決算では売上高約486億円(前年同期比0%)、営業利益4億7500万円(同11.2%増)となった。要因として同社は製造経費、人件費の削減を上げている。
総事業部門の80%以上を占める米穀事業は売上高402億円(同0.5%増)、営業利益8億1000万円(同17.8%増)となっている。玄米販売は不振だったが無洗米を中心とした精米販売が伸びた。
無洗米の販売は前年同期比で9000トン増え、今期2万1000トン。家庭用は7000トン増えたという。
月次では毎月前年を50%上回ったという。こうしたことから無洗米の販売を通期で前年比11%増と見込み、通期での見通し(連結)を売上高1042億円(前年比1.1%増)、営業利益9億1000万(同16.5%)とした。
同社では精米に占める無洗米の数量は、前期の19%から今期30%へと増加し、近く「40〜50%を占める」と見込んでいる。
コスト削減のため全国に8あった生産拠点を6にし、製造経費を1kgあたり約1円の下げることができたという。一方、多様化するニーズに対応するため、今年3月、埼玉県桶川に少量多品種工場を建設、80アイテム(250トン)の生産体制を整えた。
同社は量販店などの相手先ブランド(OEM)製造が中心だが、急激に流通業界の再編が進み「得意先が倒れることもある状況」。このため木徳神糧ブランドを確立してメーカーとしての業態転換を図る方針。その一環としてテレビCMをこの2月、3月に放映した。同社によるとCMによって認知度が高まり、無洗米の販売増にも結びついたという。
|