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アグリビジネス業界ニュース

デュポン社の殺菌剤ベンレート
日本・韓国での事業を継承
―住友化学―


 住友化学工業(株)は7月11日、デュポン社との間で、日本及び韓国において農業用殺菌剤のベンレート事業を譲り受けることで最終的に合意したと発表した。国内ベンレートの販売チャネルが、ほぼ固まったことによる措置とみられる。
 ベンレート(有効成分:ベノミル)製品は、優れた殺菌活性をもち、水稲、果樹、野菜用など幅広い用途に使用できることから、長年にわたり、広く生産者農家に親しまれてきた。
 こうしたなか、デュポン社は昨年12月末をもって、事業再構築の一環としてベンレート製品の供給を停止していた。しかし継続して使用したいとの多くの生産者農家のニーズがあり、それに応えるため、住友化学工業(株)はデュポン社と協議した結果、ベンレート原体及びベンレート製品の日本および韓国における事業を譲り受けることにした。
 ベンレート製品のうち、単剤の『ベンレート水和剤』は、これまで三共(株)、日本農薬(株)、クミアイ化学工業(株)、丸和バイオケミカル(株)、武田薬品工業(株)の5社の取扱いだった。平成11農薬年度約270トン、平成12農薬年度約260トン、平成13農薬年度約370トンで推移している。平成13農薬年度の増加は、明らかにデュポン社の供給停止に対して早期対応をはかったものであり、平成14農薬年度は在庫が残るものとみられる。
 今後の取扱いだが、三共(株)及び日本農薬(株)は取扱いを継続せず、日本農薬(株)については同系統の製品導入を固めた。また、クミアイ化学工業(株)は細部の交渉は残るが続投する模様。丸和バイオケミカル(株)、武田薬品工業(株)については交渉中とみられる。
 なお、混合剤のうち主力となっている『ダコレート水和剤』(有効成分:ベノミル・TPN)、『キャプレート水和剤』(同:キャプタン・ベノミル)、『ベンレートT』(同:チウラム・ベノミル)の取扱い会社については継続が決定している。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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