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アグリビジネス業界ニュース

「防除体系を考える」でシンポジウムを開催
― 日植防 ―


シンポジウム『防除体系を考える』
 (社)日本植物防疫協会(管原敏夫理事長)は9月10日、東京都北区の滝野川会館大ホールにおいて、シンポジウム『防除体系を考える』を開催した。会場には、国の研究機関、各県試験場、JA全農、関係企業など関係者約500名が参集し、熱心に討論が続いた。
 防除体系は、地域における病害虫発生様相ばかりでなく、農薬の特徴、栽培事情及びコストなど様々なファクターを踏まえて構築されてきたが、近年では環境に調和した防除方法及び画期的な防除資材の開発普及などにより、防除体系に大きな変化が見られることから、今回はその問題点を総括するシンポジウムとなった。
 冒頭、管原理事長は、無登録農薬などの諸問題に触れるなか、「防除技術には長所と短所があるが、全体としてどう組み立てて緩衝していくかが重要」であり、さらに「品質の良い安全な農産物生産のために、より優れた防除体系が構築されることを望む」と挨拶した。
 
 講演「防除体系の変化と問題点」では、果樹を元長野県果樹試験場の北村泰三氏、水稲を宮城県古川農業試験場の城所隆氏、野菜を高知県農業技術センターの高井幹夫氏が、それぞれ発表した。
 また、「地域の現状」として、福島県農業試験場の根本文宏氏(水稲病害を中心に)、長崎県病害虫防除所の寺本健氏(同害虫を中心に)、長野県野菜花き試験場の豊嶋悟郎氏(野菜花き害虫を中心に)、岡山県農業総合センターの那須英夫氏(果樹・野菜病害虫を中心に)、鳥取県園芸試験場の伊澤宏毅氏(果樹病害虫を中心に)、佐賀県果樹試験場の田代暢哉氏(果樹病害虫を中心に)が、それぞれ報告した。
 その後、「防除体系はこれからどう変わるか」でパネルディスカッションが行われた。コーディネーターを農業技術研究機構中央農業総合研究センターの宮井俊一氏、同果樹研究所の村井保氏の2氏がつとめた。各県の報告として、最近の無農薬・減農薬栽培、天敵利用等による農産物の市場性が得られていない、などの意見が出ている。


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