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会場では質疑応答が行われた
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農産物流通技術研究会(伊庭 慶昭会長)では、9月13日神田佐久間町の(財)東京都中小企業振興公社会議室において第106回研究例会「無洗米の新たなる発展に向けて」を開催した。
セミナーでは(社)日本精米工業界の桂木 優治常務理事が「無洗米の現状と今後の課題」をテーマに講演、無洗米製造装置は▽乾式研米仕上方式、▽加水精米仕上方式、▽特殊加工仕上方式の3方式に大別されるとし、現在無洗米の太宗を担い業界を二分している、(株)東洋精米機製作所のBG無洗米と(株)サタケのNTWPは、共に特殊加工仕上方式に分類されると説明した。
また、利便性を求める消費者には、通常の精白米と同等の価格で安定した炊飯ができる無洗米が必要であり、製造過程では精米機でとう精した後にさらに別装置で無洗化処理をするのは非効率的であるなど、今後の課題を提起した。
(株)サタケの金本 繁晴取締役技師長は「新しい無洗米と精米工場の展望」のテーマに則しながら、サタケが開発してきた加湿精米機「クリーンライト」」以降の無洗米製造装置に触れ、最新のNTWPの構造、機能、仕組みを図やスライドを使って詳述した。またこの装置によって製造されるTWR(ティスティホワイトライス)の分析結果と品質評価を概説した。
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全農施設課園部主管(右)サタケ金本技師長 |
「卸の立場から見た無洗米の需要動向とユーザーの要望」について講演した、全農パールライス東日本(株)の安藤 繁取締役支店長は、エンドユーザーに直結する米穀卸の立場から無洗米の販売量や売れ筋、品質評価を説明した。
その中で、BG無洗米は生協、量販店の支持が強く、TWR無洗米は量販店、業務用、小売店が売れ筋となっているとし、近々無洗米全体では年間供給量100万トンに及ぶものとの見方を示した。
またNTWPは公開性が高く、それが消費者の信頼を得ている点を指摘し、BG無洗米は製法は非公開だが、現在の無洗米普及に対する先駆的役割を評価した。
講演終了後、質疑応答が行われたが、無洗米の経時劣化や食味について、さらには今後、早炊米をどう開発するかなどの問題が論じられ、盛況裡に閉会した。
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