農薬工業会(山本佳彦会長)は9月24日、『農薬ニューズレター』合本第3号を発刊した。1999年12月〜2002年9月までに同誌に掲載された主要10テーマをまとめ発刊したもので、昨今の農薬を巡る諸問題を見るには格好の小冊子となっている。4000部の発行。
今回取りあげられたのは「ゴルフ場の農薬」、「新しい農薬散布機の登場」、「農薬開発の新しい流れ」、「昆虫成長制御剤」、「トキ 朱鷺」(Nipponia nippon)、「安心して使える登録農薬」、「雑草」、「除草剤への道のり」、「ラベルを見れば除草剤が分かる」、「消費者の見方に変化のきざし」、「残留基準設定農薬一覧」の主要10テーマ。
特に2001年8月(No.26)では、「安心して使える登録農薬」(さまざまな試験がささえる)を取りあげており、まさに時宜を得た特集となっている。農薬登録制度は1948年に発足し、年々、安全性評価試験の充実がはかられ、1972年にはいわゆる“農薬取締法の大改正”がおこなわれ残留性に関する試験が、また1984年には作業者の安全性や発がん性についての試験がそれぞれ加わり、さらに2000年の改正では急性神経などの毒性試験のほか、有用生物や環境への影響についての試験が新たに追加されている。安心は登録農薬から始まる。
なお、同号で現・(独)農薬検査所検査部毒性検査課長兼農林水産省生産局生産資材課農林水産技官の曽根一人氏が「農薬の登録申請に係わる試験成績について」を寄稿、試験成績が38項目に拡がったことに触れ「国際的な動向、科学の進歩等を踏まえつつ、農薬の安全性評価のより的確かつ厳正な運用を図る必要がある」、と指摘しているのは印象的だ。
〈本件に関する問い合わせ先〉
農薬工業会 花井安全情報部長 電話(03)3241ー0215
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