JACOM ---農業協同組合新聞/トップページへジャンプします

アグリビジネス業界ニュース

メグミルク牛乳単品
売り上げ全国一目ざす


 

 全国農協直販(株)、ジャパンミルクネット(株)、雪印乳業(株)の3社は牛乳事業の統合新会社「日本ミルクコミュニティ(株)」を来年1月1日に設立するが、4月からの平成15年度は創業費用で赤字となるものの翌16年度からは単年度黒字とし17年度には繰越損失を解消するという中期経営計画を15日発表した。
 収支計画は14年度(1―3月)売上高が530億円で当期損失16億円、15年度は売上高2450億円、繰越損失28億円、さらに16年度は売上高2600億円弱という目標だ。
 また、この日は都内で取引先などへの商品紹介もした。引き続いて大阪でも行う。新会社の統一ブランドは「メグミルク」で「自然のめぐみ」と「ミルク」を合体した造語だ。
 来年1月6日から製造を開始。翌7日から新会社の商品が店頭に並ぶ。うちメグミルクの名を冠した新商品は「メグミルク牛乳」4規格(1000―200ミリリットル)をはじめ北海道牛乳、すっきり低脂肪乳、カフェ・オ・レ、コーヒーなど14種類。ほぼ全国的販売となる。
 現在、3社の商品を合計すると地域ブランドやPBを含め4000アイテム以上となるため、新会社はこれを1914アイテムに絞ってスタートする。杉谷信一社長は「工場を効率化するためさらに絞り込んでいく」と語っている。
 メグミルクを主力商品に育て、将来はブランドをメグに集約するが、その時期は未定だ。「できるだけ早く」と社長はいう。
 全農直販の「農協牛乳」は定番商品で各都市では、このブランドに愛着を持つ消費者が多く、北海道ではスノーブランドに根強い人気があることなどから当面は、これらの並行販売を続け、消費者の動向を見ながら既存ブランドを廃止していくとのことだ。
 その中で15年度はメグミルクの売上高を100億円ほどに持っていきたいという。17年度にはメグミルク牛乳の単品売り上げ全国ナンバーワンを目ざす。
 15年度の売上高目標2450億円の商品群別売上構成は牛乳類40%、乳飲料19%、発酵乳15%、果汁・飲料類14%、デザート・生クリーム8%、その他となっており、牛乳をはじめ乳飲料と天然果汁でもシェアナンバーワンを目標としている。
 
 生産体制は直営15工場と協力工場だが、中期経営目標の特徴は「牛乳トレーサビリティシステム」の構築だ。製造工程と製品出荷の履歴管理をする。現在でも履歴はわかるが、今後は全工場のデータをコンピューターに入力。お客が知りたい情報をすぐ出せるようにする。
 製造工程の場合、来年度は乳・乳飲料ラインでシステムを導入。次いで他のラインでも導入して17年度には全面的稼動に入る。
 製品出荷では製造時刻の把握とパレット単位での出荷履歴を管理するが、16年度に全面稼動する。
 これにより品質管理でトラブルがあった時には、どのロットのものを、どれだけ使ったかなど原因がすぐわかるようになる。
 また新会社としての独自の新しい品質マネジメントシステムを構築する。
 さらにメグミルク牛乳の商品特徴は成分無調整で、農協牛乳と同じだが、紙パックには、店頭での光線によるおいしさの劣化を抑える遮光性パッケージを採用した。
 なお同社の資本金は150億円。出資比率はJA全農40%、雪印30%、全酪連20%、農林中金10%。従業員数約2100人、本社は東京都内。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
webmaster@jacom.or.jp