日本農薬(株)(大内脩吉社長、本社:東京都中央区)は11月26日、『平成14年9月期決算短信(連結)』を公表した。
それによると、同社グループの当期の連結業績は、売上高298億8200万円となり、前期に比し37億1600万円の減となった。利益面では、経常利益は1億8000万円となり、前期に比し9200万円の増となった。また、当期純利益は9300万円となり、前期に比し4300万円の増となった。
化学品事業から見ると、まず国内農薬販売では、自社開発品を中心に拡販に努めたほか、本年度上市したデシカン、水稲殺菌剤および適用拡大した園芸殺虫剤などに注力し実績を上げた。また、殺虫剤・殺菌剤分野では新規に育苗箱処理剤を導入し普及拡販に努めた。
加えて、水稲用除草剤分野では、昨年上市した製品は市場を拡大したが、既存剤の減少をカバーできず前年を下回る結果となった。さらに、病害虫の少発生、外資メーカーの直販政策に伴う大型品目の欠落の影響もあり、全体として売上高は大幅に減少した。
一方、海外農薬販売はモンカットについては北米で新規混合剤の上市により、また欧州での販売先変更により伸長したが、フジワン、アプロードは韓国、東南アジア地域などでの病害虫不発生などの影響もあり減少した。米国子会社「日農アメリカ インコーポレーテッド」は、直販が軌道に乗り拡大している。
その他の化学品では、シロアリ用薬剤は販売網の拡充、品目の重点化を図り堅調に推移したが、水処理剤、種籾消毒廃液処理装置が減少した。また、医薬品については外用抗真菌剤ラノコナゾールなどで拡販をはかり、有機中間体は半導体不況などの影響で減少した。
これらの結果、化学品事業としては、売上高285億6200万円となり、前期に比し33億9000万円の減少となった。
次に工事事業を見ると、公園緑化などの公共事業の減少やゴルフ場経営の厳しい環境の中で、造園工事やゴルフ場などの請負防除は減少、芝関連工事は独自のグリーンテクノロジーを活用して運動公園、スポーツ施設、多目的広場などへの展開をはかったものの、新設、改修工事の減少もあり前年を下回った。
これらの結果、工事事業としては、売上高8億1500万円となり前期に比して6億500万円の減少となった。
さらに、サービス事業はゴルフ練習場、テニスコートなどの売上高が2億2600万円となり、前期に比して200万円の増となった。なお、不動産業務及び物流請負業務などが当期より新たに連結対象となり、その売上高は2億7700万円となった。これらの結果、サービス業としては売上高5億400万円となった。
連結次期業績見通しは、売上高393億円、経常利益6億円、当期純利益2億2000万円となっている。
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