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アグリビジネス業界ニュース

信頼回復に向け農薬業者団体が合体
小売・卸商の統合は全国初

―山形県農薬販売協会―


会場俯瞰写真(2002年実施)山形国際交流プラザ ビッグウィング
山形国際交流プラザ ビッグウィング

 無登録農薬問題の動きを踏まえ、商社系の農薬卸商でつくる山形県農薬販売協会(高橋祐吉会長、加盟170社)と卸商の山形県農薬卸商業協同組合(飯田喬之理事長、加盟13社)は12月3日、統合して新たに山形県農薬販売協会(加盟200社)を設立した。
高橋会長
高橋会長
 無登録問題は、消費者の信頼を損なったばかりか、各方面で多大な犠牲を払う結果となったが、農薬販売業者にとって改めてその姿勢を問われる事件であり、農薬流通の適正化をはかることが急務となっていた。小売と卸の統合は全国初の試みで、この「山形方式」がJAの参画を含め、全国にどのように波及し影響をおよぼしていくかが注目される。
 山形国際交流プラザ ビッグウィングで行われた新生山形県農薬販売協会総会・発会式の席上、高橋会長は「産地および消費者の信頼回復のために業界を挙げて取り組まなければならないが、そのためにも今まで以上に行政、関連メーカーと緊密な連携をはかっていきたい」と今後の方向性を語った。
細野部長
細野部長
 また、県からも細野武司農林水産部長、芳賀静雄農業技術課長、齋藤健次同生産環境主幹、卯月恒安同専門技術員ら多数が出席、細野部長は「この統合は山形が初の試みであり、全国に広がることを期待したい。安全に対する意識の高揚が重要であり、この機会に全県挙げての取り組みを実施していきたい」と結んだ。
 無登録問題では、産地および消費者の信頼(回復)が大きく問われた。新組織は、単なる親睦団体であってはならない。新生山形県農薬販売協会では、加入率を高めるなど体制をより強固なもにし、農薬流通の適正化、農薬危被害の未然防止、安全・安心な農産物提供の支援をはかっていくことにしている。
総会・発会式より
総会・発会式より
 なお、総会・発会式の一環として「法改正に基づく今後の改正点」、「食品安全法による残留分析等について」、「農薬(毒劇物)の適正管理について」、「平成14年度県防除基準の骨子説明」などの講演が行われ、熱心な討論が行われた。
【JA全農山形県本部・佐藤孝一生産資材部長の話】
 小売、卸が窓口を一本化したことの意味は極めて大きい。新組織との連携を深め農薬の適正使用をよりいっそう指導していくが、JA全農山形県本部としては農家組合員および山形県の農産物を守っていくことで、心して安全、安心な農産物を消費者に提供していきたい。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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