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アグリビジネス業界ニュース

植物由来で安全性が高い
新選抜マーカー遺伝子を発売

―クミアイ化学工業―


 

 クミアイ化学工業(株)(望月信彦社長、本社:東京都台東区)は1月14日、新しい遺伝子組換え植物の選抜マーカー試薬として、イネ由来の突然変異型アセト乳酸合成酵素遺伝子『ALSジーン』と、同酵素を阻害する自社開発の「ビスピリバックナトリウム塩(商品名:ノミニー、グラスショート)」を『植物形質転換・選抜マーカーセットA(研究用)』として1月20日より試験販売に入ることを明らかにした。
 『ALSジーン』は、同社と(独)農業生物資源研究所との共同研究により取得したイネゲノム由来の遺伝子で、イネが本来持っている遺伝子から自然突然変異によって生じたものであることから、マーカー遺伝子として植物に使用しても組換え体は環境面ならびに人畜に対する安全性が極めて高いものと考えられている。
 
 また、組換え植物選抜への本マーカー遺伝子の利用については、(独)農業生物資源研究所ならびに(独)農業技術研究機構・中央農業総合研究センターとの共同研究で行い、同センターにおいて従来の抗生物質マーカー遺伝子に代わり得る性能が高く評価され、新しい選抜技術として確立された。
 今回の新製品の市場投入は、クミアイ化学工業(株)が初めてバイオテクノロジー分野に参入した画期的なもの。イネゲノム由来であることから、これからの遺伝子組換え植物の実用化で求められている安全性の高い、また純国産技術の選抜マーカー遺伝子として広く活用できる。当面の販売目標は、約2億円。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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