シンジェンタ社の100%子会社である(株)オリノバ(本社=静岡県磐田郡豊田町、代表取締役:中島哲男)は1月21日、本年3月末をもって事業活動を停止することを明らかにした。
2002年7月に日本たばこ産業(株)から全株式を取得して以来、シンジェンタ社は同社事業の再評価を行ってきたが、事業の中心となっていた「低たんぱく米およびハイブリッド米」市場が、当初見込まれたものより小さいことから今回の措置に至った。
(株)オリノバは1999年10月に、日本たばこ産業(株)とゼネカアグロケミカルズ社(現シンジェンタ社)との合弁提携により、イネバイオ分野の研究開発会社として発足。2002年7月には、日本たばこ産業(株)が保有する(株)オリノバの全株式がシンジェンタ社に譲渡されていた。
今回の措置で、15名の社員のうち、日本たばこ産業(株)からの出向者は日本たばこに、シンジェンタ社からの出向者はシンジェンタ ジャパン社に帰任することになる。また、シンジェンタ社からの出向者のうち退職を希望する社員には、早期退職優遇制度が適用される。
シンジェンタ社は、世界のアグリビジネスをリードする有力企業。農薬分野では世界第1位、高付加価値種子分野では世界第3位にランキングされている。2001年度の売上高は約7626億円に上り、世界の50カ国以上で事業を展開し、2万人を超える従業員を擁している。
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